鳥取ーー日本最古のロマンチックな恋物語 Tottori
砂の美術館ーーSand Museum
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鳥取砂丘から歩いて行ける距離に世界で唯一の
砂の美術館があります。
駐車場にあるモニュメントに砂の美術館と書いて
あり、期待感が高まります。
自然が悠久の時を刻み創り出した鳥取砂丘。
今回の11回目開催の2018年は「北欧」がテーマ
です。
砂で世界旅行・北欧編
~美しい大自然と幻想的な物語の世界へ~
展示期間:2018.4/14~2019.1/6 一般:¥600
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第1期~第4期までは屋外の展示だったのですが
砂像は雨風に弱く維持管理が大変なため
2012年に展示や観覧環境の改善とより
スケールの大きな展示を実現するために
屋外展示になりました。
2つの問題を解決するために世界初の砂像展示
施設として「砂の美術館」が誕生しました。
世界9か国から集った19名の彫刻家が22の作品を
北欧神話やアンデルセン童話などのテーマごとに
北欧の世界観を彫刻にして展示しています。
総合プロデューサは日本人の砂像彫刻家ーー茶園 勝彦
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砂像の作り方はまず土台作りからです。土台が堅固
ではないと彫刻作業の時にぼろぼろと簡単に崩れて
しまいます。砂と水だけを使い固め、この作業を
繰り返して砂像を作成します。
全ての作品が美しく素晴らしいので写真を実に
100枚近く撮りました。
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イーエスコウ城(デンマーク)
イーエスコウ=樫の木の森
広い庭園に内にある湖に樫の木の杭を打ち込んだ
土台の上に建てられたことが由来の城です。
人間も細かく作られており、観光に来てカメラで
記念撮影している様子がありありと描かれてい
ます。全体像と並べるといかに人間が小さく精巧
な出来かわかります。
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ブリッゲンーーノルウェー・ベルゲンの旧市街地
彩り豊かな三角屋根の木造倉庫群が湾岸沿いに建ち
並ぶベルゲン市の旧市街地。
「ブリッゲン地区」建築好きのみならず堪らない
おとぎの世界のような中世の名残を残す建築群の
世界遺産を立体的に再現しています。
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文学「マッチ売りの少女」「羊飼い娘と煙突掃除人」ハンス・アンデルセン
2つの物語は今でも世界中の子どもたちに読まれて
いるアンデルセン童話。
「マッチ売りの少女」は冬の寒空の下、マッチを
売っている際に耐え切れなくマッチで暖をとろう
として幸せな幻を見ている様子が切なくも儚く
表現されています。
屋根の上の煙突には「羊飼い娘と煙突掃除人」
が困難を乗り越えて結ばれた物語のワンシーンです。
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「人魚姫」ハンス・アンデルセン
アンデルセン童話を代表する「人魚姫」悪い魔女と
契約したことで美しい声と引き換えに人間の足を
もらうという場面です。
魔女が親切そうに近づいてきて人魚姫を唆す悪い顔
の表現や人魚姫の迷っているときの顔のしわが細か
く表情豊かに描かれています。
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北欧神話
北欧といえば北ヨーロッパに伝わる「北欧神話」
個性豊かな神や巨人、怪物たちが次々登場する
壮大な世界観を表しています。
王座に座っている主神オーディンは北欧神話
の中で最高神として威厳たっぷりな姿です。
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トロルと北欧の森
となりのトトロのモデルになった北欧の深い森の中
に暮らす妖精「トロル」各国独自のトロル像があり
人々を怖がらせたり幸せをもたらす存在だったり
します。トトロは後者のほうですかねーー
橋の上の人間を池の中に引き摺りこもうと今か今か
と待ち構えています。
小川には本物の水が流れており砂と水が融合した
斬新で最新鋭のアートです。
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サンタクロース
ご存知、北欧の「サンタクロース」北欧では冬は
長く暗いため、クリスマスは国を挙げての一大
イベントになります。
毎年フィンランドのサンタクロース村には世界中
の子供たちはもちろん、大人からも大量の手紙が
寄せられ本物のサンタクロースから心温まる返事
がクリスマスに届きます。
髭の質感や服のもこもこした綿の質感が緻密で暖か
く優しそうな瞳はサンタクロースのイメージにぴったりです。
![](https://yashizaru.com/wp-content/uploads/2018/09/DSC03170.jpg)
3階からも砂像を眺められ、回廊からは展示品の全景
を見ることができます。上から覗くことで2階から
では見つけられなかったことも発見できます。
例えばーードールハウスと北欧家具という作品では
世界的に有名な北欧家具を小さくしてお人形を並べ
ていると思っていたのですが、それを遊んでいる
子どもの姿が奥にありましたーー進撃の巨人みたいです
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フィヨルドの風景の全景も拝めました。北欧の神話
やおとぎ話のごとく氷河が作り出した青く輝く海面
が広がるフィヨルドの谷に帆船が行き交い、気品
漂う城など北欧の歴史が詰まっています。
水の流れる音を耳に感じ、帆船があたかも動いて
いるかのように感じます。
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屋外に出てみるともう一つ大作がありました。
福祉国家”北欧”ならではの砂像は、教育や人権、福祉
労働条件などの分野において世界から注目されて
いる北欧のシステムを表現しており、本来あるべき
国家のお手本を先駆けて実現しているのかもしれません。
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展望広場からは広大な鳥取砂丘を一望できます。
森に囲まれた見通しよく砂丘を余すことなく眺めら
れます。美術館のついでに満喫しましょう!
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子どもが遊ぶ用に大きな砂場スペースもあります。
子どものみならず砂像を見た後なら大人でも遊びた
くなってしまいます。まずは泥だんごから挑戦です!
じっくりと見ていると実際に色彩が施されたような
錯覚に陥るほどどの展示品も完成度が高いです。
彫刻家が心血と情熱を注いだ作品も展示期間が終わ
ればただの砂、自然に還ります。
もったいなく感じますがそれも含めてサンドアート
作品の魅力です。
仏教でいう諸行無常ですねーー
今回の戦利品
This booty
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ミュージアムショップで買った品です。
3階の回廊から見た砂の美術館のクリアファイル。
ドールハウスの女の子が確認しやすいです。
ストラップはダーラナホース(木製馬)といって幸運を
呼ぶ馬ーー北欧地方の子どもなら必ず持っていると
いうアクセサリー感覚のお守りです。
夜になると車のヘッドライトなどを反射して安全を
守ってくれます。
白兎神社ーーShrine
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◆Pick up◆
白兎神社
創建:不詳
主祭神:白兎神(しろうさぎのかみ)
構造:流造
日本初のラブストーリーの発祥地「白兎」
ーー2010年に恋人の聖地に認定
なんとなくわかるーー因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)
日本最古のラブストーリー。大国主命(オオクニ
ヌシノミコト)と八上比売(ヤカミヒメ)のお話
です。スサノオとクシナダヒメの子孫にあたる
ーー大穴牟遲神(オオナムチ)が白うさぎと
出会うところから始まりますーー
オオナムチには八十神と呼ばれる大勢の兄弟が
絶世の美女ーーヤカミヒメを娶ろうと因幡に
向かう。
ーーオオナムチは体が小さく、力が弱かったた
め荷物持ちとして連れて行かれた
⇩
白うさぎは隠岐の島からこの地に渡りたくて
「どちらの同族が多いか数えるから一列に
並んでその上を数えながら渡るよ!」と
ワニを騙して海岸に足が付くやいなや最後
のワニに「やーい、まぬけ」騙してたこと
を白状してしまって毛皮を剥がされてしまった。
ーーワニは日本に生息していないためサメ説が
有力だと云われる
⇩
意地悪な八十神が気多の岬で皮が剥がされた
うさぎを見つけ、「海水で身体を洗い高尾山で
風に吹かれながら寝るように」と間違った傷の
対処法を教えられる。
ーー毛皮が剥がれた状態なのでグロテスク
だったことでしょう
ーー海水に傷だらけの身体を漬けたらどうなる
か想像に難くないですよね(汗)
⇩
八十神がその絶叫を聞いて笑いながら去ってい
き、後から来たオオナムチは「水門の真水で
海水を洗い流し身干山で蒲の穂にくるまって
いるように」助言する。
ーー蒲の穂を撒き散らしてその上を転がって
花粉をつけたら、膚はもとのように戻り
たちまち身体が回復した←”因幡の素兎”
⇩
ー後日談ー
白うさぎはたいそう喜び「八十神にはヤカミヒ
メを娶れない、あなたが選ばれます」と予言を
する。←白うさぎはヤカミヒメの使いだった
ーー実際そのとおりになり兎神として白兎神社
に祀られるようになる
大穴牟遲神(オオナムチ)は死んだり復活したり
壮絶な物語の末に大国主の神に成長していく。
しかし、うさぎは騙したのに皮を剥いだだけで
食べなかったワニは優しいですね!
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隣接した道の駅は駐車場が広いので気軽に車を停め
られます。階段の一番上から国道を挟んで白兎海岸
が望めます。
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![](https://yashizaru.com/wp-content/uploads/2018/09/DSC03273.jpg)
鳥居をくぐった先の参道にはうさぎのオブジェの
灯籠が並び周りには白い石が置いてあります。
これは「結び石」といってご縁を結ぶお守りです。
うさぎに願いを込めて置くと良縁・子宝・繁盛・
飛躍・健康の五縁を呼びこむといわれています。
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砂の美術館で見たような砂像があります。
大国主命と八上姫の関係を白うさぎがとりもった
場面が生き生きと表現されています。
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神話上で白うさぎがくるまって傷を癒した蒲の穂
内服すると、利尿作用・通経作用があるとされま
す。
ーー若い芽は食用とする事ができるそうです
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手水舎にはふてぶてしくも可愛く丸っこいうさぎが
出迎えてくれます。
ーー暑いときは水を掛けてあげたくなります(笑)
身を清めて参拝に向かいます。
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神話上で登場した白兎が体を洗った御身洗池(みたら
しいけ)があります。御身洗池は干ばつ・豪雨のとき
でも水位が変化しない「不増不減の池」と呼ばれています。
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参道を抜けて拝殿で参拝します。
白うさぎの怪我が治ったことから医療、動物医療の
発祥の地として霊験あらたかな神様が鎮座する神社
です。
また、遠国の人にも兎に願えば早く家に帰れると
いうことから遠距離恋愛のカップルに人気ですーー
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本殿を支える6箇所の土台岩には、菊の紋章(二十八
弁)が彫刻されています。
全国的に珍しく、皇室と関係しているのかは明らか
になっていません。
ーー神社の創設が不詳なので迷宮入りのミステリー
です
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社務所にはうさぎをモチーフにした縁結びのお守り
が取り揃えております。まるくてころころした
”白うさぎみくじ”引いてみました!
赤い紐を引くと中からおみくじが出てきます。
結果はーー中吉
びみょー。「積極的に行動」と「旅行は計画的に」
が実に的を得ています。
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道の駅”神話の里 白うさぎ”食事ができたり、休憩所
もあるのでひと休みにぴったり!
お土産にもうさぎをモチーフにしたお菓子やグッズ
が豊富に並んでいます。
名誉駅長の命(みこと)駅長が出迎えてくれます。今年
で9歳になりました!パチパチパチ
おみくじのうさぎそっくりなので赤い紐が付いて
いないか確認してしまいました笑
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夏には海水浴客で賑わいますが、今のシーズンは
泳いでる人はいません。
沖合にはうさぎが渡ってきたという鳥居のある離れ
島ーー唹岐ノ島(おきのしま)が見えます。
近くには神話の舞台の一つ、黒い岩礁が騙されて
列を作った「ワニ」に例えられています。
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縁結びの神様といえばーー島根県の出雲大社が最も
有名ですがここ、白兎神社はうさぎだらけの可愛い
神社なので厳粛な空気が苦手な人でも気楽に参拝
できます。
さらにうさぎ好きなら絶対オススメします!
総括ーーSummary
![](https://yashizaru.com/wp-content/uploads/2018/09/DSC03298.jpg)
まで近づくことができます。
そのため、子供連れの親御さんは子供に目を離さな
いようにしないといけません。
写真を撮ることに夢中になりすぎてうっかり転んで
作品を壊して台無しなんてことにならないように
マナーを守って気持ちよく観賞しましょう。
写真じゃこの迫力や感動が伝わらないのが残念で
なりません。本当に砂だけで作ったの!?と思う
こと間違いなしです。
ぜひ生で見て感じてください!幻想的な北欧の世界
観へどうぞ誘われてみませんか。
今回の北欧編の展示は2019年1月6日までなので
行く人はお早めに!!
次の12回目の開催時はどんなテーマになるのか
わかりませんがまた訪れたいです。
(次回)ーー命懸けの参拝の前に温泉街で英気を養う