【三佛寺投入堂】in鳥取6ーー死ぬまでに見ておくべき100の建築を鳥取の世界遺産に!

鳥取ーーTottori
三朝ーー六根清浄と六間治癒の地 Misasa

三佛寺投入堂ーーNageire-do

死ぬまでに見ておくべき100の建築
三徳山三佛寺 投入堂
”死ぬまでに”って最大の売り言葉ですね。魔法の言葉
と言ってもいいかもしれません。人の一生を使って
100もの世界各国の建築を見に行くことは難しいものです。
 
しかし、国内や行ける場所は極力行きたいじゃない
ですかーー
まだ見ぬ建築、いや”絶景”を求めて今すぐに聖地巡礼
を始めようじゃありませんか!
少しくらい高価でもついつい手に取っちゃいます。
ーー私は本屋で立ち読みしましたけど…
 
さあ本日は雲一つない晴天の下、待ちに待った絶好
の参拝日和です。十二分に安全に気をつけて安全に
下山して戻ってくることをここに誓いますーー
 
投入堂参拝者入山心得

1. 入山届・下山届を提出すること  
 ⇦必ず輪袈裟を着用し参拝時間は8時~15時まで
2. 2人以上で入山すること     
 ⇦安全性の確保のため単独登山禁止
3. 靴の確認を受けてから入山すること
 ⇦滑落防止のため、登山に適した履物
4. 立入禁止区域には入らないこと  
 ⇦境内山内はすべて国指定史跡及び名勝の地
5. 荒天時は、入山を禁止すること 
 ⇦雨や雪など危険と判断した場合は入山禁止
 
参拝登山に適した服装
運動しやすく汚れてもよいもの、肌の露出が多いものはNG
(スカート・かかとの高い靴・革靴・サンダル
・スリッパ・滑りやすい靴・底にスパイクや金具の
付いた靴などの登山用シューズ・ピッケル・ストック←山道、木の根を傷める為)
 
わらぞうりをレンタルしましょう
登山靴で登山しましたが、わらぞうりを履くべき
でした。道中何回も転びそうになりヒヤリとした
場面がありました。

Column

”わらじ”と”わらぞうり”
両方とも藁(わら)が材料の履物。現在は舗装され
ている路面がほとんどなので摩耗が著しく
耐久性に期待できない。

わらじーー紐を足首と後部に巻き縛る。昔の人
が山歩き用や旅に出るときの必需品。

わらぞうりーー現在のサンダルの形状に近く
鼻緒を指で挟んで履くため着脱は容易。

ーーわらじとわらぞうり。ここは昔の人に
習ってわらじがオススメです!
300円の差で転んで怪我なんてしたら笑えませんよ

その他
帽子
ーー道中は頭上に枝葉があるので日よけ
  頭の保護に必要です。
かばん
ーー転落時などに両手を使えるリュックに
  しましょう。
水分
ーー必須。忘れたとしても受付所などで購入
  可能。
手袋軍手
ーー両手を使って岩や木、鎖を掴むための手の
  保護のために着用するべき。
往復で1時間半~2時間なので時間に余裕を持って
行動しましょう!
 
a.m.9:51ーー本堂
三佛寺の本堂で5円玉をお賽銭し、安全祈願
しました。二礼二拍手一礼。山の神様にご挨拶です。
 
a.m.9:44ーー登山受付所
参詣者受付案内所でお札を受け取ります。
拝観志納金は投入堂まで大人¥800、本堂までで¥400
 
この図柄は”角大師”と呼ばれている鬼で魔除けの意味
があるらしく玄関の高い場所に貼っておくといいらしいです。
 
投入堂内の入山は禁止されています。三佛寺の裏手
のルートを通って近くまで拝観することができま
す。
 
地図だけ見るとアスレチックのようで楽しそうです
が、2年に1人の割合で転落死が発生することから
「日本一危険な国宝」と称されます。
スタートから気を締めていきますーー
 
a.m.9:51ーー注縺懸杉
1人では登山不可能ですが、タイミングよくちょうど
2人組と巡り合って一緒に参拝することになりま
した。
 
登山受付所に自動販売機が設置してあります。
ーー備えあれば憂いなし。少し高いですが買って
  おきましょう。
 
a.m.9:56ーー宿入橋
手つかずの自然が溢れてハイキング気分です。
役の行者に会釈して先に進みます。こんな
遊歩道がしばらく続くのかなー
 
a.m.10:00ーー山道
ハイキング気分も束の間、段々と険しい山道に変わ
っていきます。麓でこの登山道は昔からの修行の道
だと言われたことを思い出しました。
 
両手で道を切り開いていくため、軍手を持ってくる
か借りればよかったと開始5分で後悔してしまいました。
 
a.m.10:03ーーかづら坂
自然に感謝して木の枝を掴み足場にして順番に進み
ます。
前の人が滑って転んだら巻込み事故になりかねない
ので1人ずつ順番に両手両足を使って全身で登り
ます。
 
上から下を恐る恐る覗くと木の根が張り巡らされて
います。帰りもここを通るのかーと若干テンション
が下がったことは心の奥にしまいます。
 
a.m.10:13ーーくさり坂
くさりをしっかり掴んで少しずつ足を動かしていき
ます。くさりが無くても登ることは可能ですが
安全のため必ず利用しましょう。
 
鳥取中部地震の影響で元のルートではなく迂回路
からですが、元のルートより困難になったという
声も聞きます。
国宝の投入堂は無傷。神懸かり的な力を感じますねーー
 
鳥取県中部地震

発生時刻:10月21日14:07 
震源:鳥取県中部
規模:マグニチュード6.6 最大震度6弱
三朝町は震度5強を観測。文殊堂のくさり坂の
岩盤にヒビが生じたため立入禁止となる。
参拝道を復旧するためクラウドファンディング
で支援を募集したところ数日で目標額である
200万円以上の資金が集まる。
ーー海外からの支援も多かったことから早く
  震災復興してほしい思いが強く感じられ
  ます
 
a.m.10:18ーー文殊堂もんじゅどう(重要文化財)
困難の後には絶景が待っている
ーーこれ私の持論です(笑)
 
お堂の周りをぐるりと歩いて行けます。手摺がなく
開放されているので端に行くと落っこちそうになる
のでお堂に密着しながら一周します。
 
休憩しながらお堂の端に座って景色を眺めます。
高さがあって足が宙に浮いている状態なので
これがなかなか怖い(汗)
高所恐怖症の方は行かないほうが懸命かもしれません。
 
a.m.10:37ーー地蔵堂(重要文化財)
2つ目のお堂です。文殊堂からさほど距離は離れて
いません。
景色も山々が連なっていて遠くまで見渡せます。
 
a.m.10:39ーー鐘楼堂
鐘の下を通っていきます。
投入堂もそうですがーーここまで木材を運んで立派
なお堂や木組の建物を造ったということが信じられ
ないです。
 
ましてや鐘なんて重すぎて人間の手では持ってこれないはず…
12月31日には百八つの鐘を鳴らす除夜の鐘が恒例
行事になっています。夜間、しかも積雪の中での
入山なため危険度はMAXにも関わらず毎年定員
オーバーになるほど人気です。
 
積雪の参道を進むだけで煩悩なんて吹き飛び
そうですが、いつもと違う特別な新年を迎え
たい人は一度経験してみてはいかがでしょうか▼

https://mitokusan.jp/

 
a.m.10:41ーー修験道
馬の背、牛の背と細い道が続きます。
最後の難関です。足が滑りやすいのでバランスを
取って進みます。
 
a.m.10:45ーー観音堂
道が途切れましたーーまさかここで終わり!?
いやでも反対側には道がある。
 
観音堂の裏側から続いているみたいです。
ここまで来たらあと少しです。
切り立った断崖絶壁の岩の隙間に建っていて投入堂
以外にも見所の建築物が数多くあります。
 
観音堂の脇道は「胎内くぐり」と言われ、投入堂に
向かう際に一度生まれ変わって魂と肉体を浄化する
役目があります。
 
a.m.10:48ーー投入堂/愛染堂
◆Pick up◆

三佛寺投入堂

創建:不定ーー平安密教建築の数少ない遺構
構造:柱で床を支える懸造(かけづくり) 
   ←山などの斜面に高床式の造り
   母屋の屋根:桧皮葺き流れ造

◯慶雲3年(706年)三佛寺の開祖である役行者
金剛蔵王大権現などを祀った仏堂を法力で山に
投入れたという言い伝えから「投入堂」と呼ば
れる

◯現存する神社建築では日本最古級

 
言葉もありません。
茫然自失気味にただただ眺めていました。
次にとにかくカメラのシャッターを押すことに集中
します。
 
そこに存在する建物なのに瞬きした瞬間に煙みたい
にパッと消えてしまいそうな儚さを感じ不安になり
ました。今でもあのとき目に焼き付けた光景が浮かびます。
 
投入堂に付随しているお堂を”愛染堂”少し離れて
不動堂”が位置します。
 
愛染明王を奉納しており、愛の願いを叶えること
からこの場所で文字通り、命懸けのプロポーズを
計画してみませんか?
 
最後にどうやって建てたのかーー法力で投入れた
伝説ではなく論理的な説明が欲しい。現代の技術
でも修繕は出来てもイチから建てるなんて不可能
に近い、ましてや水平に保つなんて夢物語です。
 
上から吊るにしても距離があることに加え、窪んで
いるため物理的にインポッシブル。下は足場を作る
スペースもないに等しいし谷底が深すぎる…
 
a.m.11:13ーー文殊堂
なんてことをずっと考えながら来た道を進んでいる
とーー案の定、足を滑らせました(泣)
 
登山は下山するときが一番事故が多く危険なので
登山時よりも慎重を期さないといけません。今は
下山することだけを考え気を引き締めます。
おうちに帰るまでが遠足ーーって帰らないんです
けどねー
 
帰り道は文殊堂の軒下を通ります。
迷路みたいになっていて腰を屈めないと木に頭を
ぶつけてしまいます。
 
a.m.11:34ーー登山受付所
大望の投入堂の参拝が叶いました。予定通り
1時間半で帰ってこれました。
 
受付所で輪袈裟を返却し下山時間を記帳。ここまで
やってようやく参拝終了です。
共に参拝した2人組にこの近くに美味しいお店がある
と教えてもらったのでご一緒させてもらいました。

谷川天狗堂ーーGourmet

料金は先払い制という珍しい形式で縁側から入る
スタイル。民家の座敷部屋に長テーブルが置いて
あり、非常に落ち着きます。
 
ああ、畳に座れる幸せ。日本人に生まれてよかった
と思う瞬間ですねーー
 
オススメの品ーー「とちもち入り山菜うどん+三徳豆腐」¥1,000
待っている間、テレビを見ながら足を伸ばし
くつろいでいました。
 
テレビの中で玉木宏の「秘境ふれあい紀行」が放送
されていました。三朝温泉で射的を体験していて
合計10点。よし、勝ったー!
 
なんて思っているうちに料理が運ばれてきました。
温かいうどんが歩き疲れた身体に沁みつきます。
モチモチのうどんに地元の山菜ととちもちの天ぷら
がgood!
 
三徳豆腐は硬くて崩れにくく、わさび漬け醤油と
相性抜群です。小鉢も酸っぱくて参拝者のために
体力回復を目的にした料理なんだと感じられます。
これだけ揃って1,000円。ここでしか食べられない
ことが残念です。
 
食べ終わり、肩の荷が下りて疲れがどっと出てきて
強い眠気に誘われます。
しかし、次の目的地があるため眠気を堪え、2人組
に別れを告げます。
 
TELL:0858-43-2663
営業時間:9時00分~16時00分
定休日:日曜営業
駐車場:有

公式HP:ー

総括ーーSummary

写真家ーー土門拳が「日本一の建築は?」と問われ
たときに「三佛寺投入堂をあげるに躊躇しないで
あろう」と絶賛しました。
 
建築家ーー安藤忠雄を始め多くの著名人が京都の
清水寺と並ぶ懸造り建築として投入堂を評価しています。
帰りに「受付案内所」の案内人にどうやって投入堂
が出来たか私の仮説を聞いてもらったところ
ーーこの周辺は豪雪地域なため、雪で足場を作って
投入堂まで届かしたり、材木を滑らして運搬した
可能性が高いと言われ、なるほどなー目から鱗
目の前の霧が晴れました。
 
投入堂は道中が修験道のような場所ですが、気合を
入れて確固たる目標を持てば必ず登って切って無事
戻ってこれます。できれば若い時の体力や足腰が
弱っていないときに挑戦しましょう!
せっかく訪れたのに途中でドロップアウトなんて
悔いが残りすぎますからね。
 
(次回)ーー真実はいつもひとつ!
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