西都ーー日向王国の中心斎殿原 Saito
西都原古墳群ーーMound
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◆Pick up◆
西都原古墳群
築造年:4世紀初頭~7世紀前半
規模:東西2.6km、南北4.2km
前方後円墳31基、円墳279基、方墳1基
◯国の特別史跡
◯日本最大級の古墳群
◯日本で初めて本格的学術調査が行われた地
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第1古墳群は南東端に位置し、84基の古墳。
第2古墳群は東側に位置し、39基の古墳。
第3古墳群は北側に位置し、86基の古墳。
が現在確認されています。
古墳群は広大で歩いて散策するには骨が折れます。
道路が通っているため自家用車で移動しながら
見学がオススメです。
ーー天気が良かったので私は歩きました
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ー第3古墳群ー
5世紀後半から6世紀後半にかけて古墳が
造られました。
こんな大規模な古墳群が一か所に集中し、当時の姿
そのまま残っているところは全国でも宮崎県の
西都原だけです。
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ー鬼の窟古墳(おにのいわやこふん)ー
西都原古墳群内で唯一の横穴式石室の古墳。
木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)に恋した鬼が
一夜で造りあげたとする伝説が名前の由来となっています。
ーー鬼はいつもどこでも騙されてる気がします
古墳の周りの外堀には幅10m、高さ5.2mの土塁上の
高い外堤が巡らせています。
当時の姿を残すために慎重に削り、土を盛って復元
されました。
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正面の石室は開放されています。
主要な石材は砂岩の塊石で全長12.4m、高さ4.9m。
南九州最大級の横穴式石室です。
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ー13号墳ー
4世紀後半に築造されたとされる13号墳。
三角縁神獣鏡、翡翠製勾玉、碧玉製管玉、ガラス製
小玉鉄剣などが出土しています。
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内部を観覧することができます。
粘土槨(ねんどかく)は木棺を載せ、粘土と石
で覆って埋め戻したものです。
しかし、木は腐食し棺材と思われる木片がわずか
に残るのみです。
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ー男狭穂塚古墳と女狭穂塚古墳ー
宮内丁管理の為、敷地内立入禁止です。
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男狭穂塚古墳(おさほづか)と女狭穂塚古墳(めさほづか)
は寄り添うように築造されています。
男狭穂塚古墳
・ニニギノミコトの御陵と伝えられる。
・全長154.6m、高さ19.1m
・女狭穂塚古墳より早い時期に築造されたと推定
女狭穂塚古墳
・コノハナサクヤヒメの御陵と伝えられる。
・全長176.3m、高さ14.6m
・九州最大の前方後円墳
・5世紀中期ごろに築造されたと推定
ニニギノミコトやコノハナサクヤヒメといわれて
いますが、日向大国の大首長墓が有力と考えられています。
明治28年、両古墳を含むこの一帯は御陵墓参考地
として宮内丁の管轄下になりました。
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季節ごとに台地の花々が綺麗に咲き誇ります。
春には梅の花、桜と菜の花、ミツバツツジ
秋には西都原のコスモス、柿。
見渡す限りの満開のコスモスが古代のモニュメント
である鬼の窟古墳を鮮やかに彩ります。
宮崎県立考古博物館ーーMuseum
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「南九州の自然と人々の営み」「古墳時代前史」
「前方後円墳の世界」「地下式横穴墓の世界」
「古墳の終焉から律令期」「考古学の世界」
の6つのコーナーに分かれます。
写真撮影が可能で西都原古墳群も博物館も料金は
タダなのが魅力です。
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展示室までの長いスロープはタイムトンネルのよう。
一歩ごとに過去に誘われ、文明が生まれる前の時代
へと遡ります。
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西都原古墳出土品がディスプレイされています。
展示の仕方もライティングの調整などメリハリが
ある展示空間のため、快適な環境で観覧できます。
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埋葬品の土器や石器が自由に触ることができます。
順路通りに進むと旧石器の成り立ちから古墳時代
の終焉までがストーリー仕立てで学べます。
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博物館のテラスからは古墳群が望めます。
古墳群全域を見渡せないほどの広大さに
ホンマにタダでええんでっしゃろかーー
思わずエセ関西弁が飛び出してしまうくらい
充実した博物館です。
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懐かしい本に再会できました。
学校の文庫本にあって何回読んだことかーー
いまや地球の支配者となった人間。その人間の存在
価値を問うというテーマの漫画です。大人になって
から読んでも難しいテーマだと感じました(汗)
住所:宮崎県西都氏大路三宅字西都原西5670番
TELL:0983-41-0041
営業時間:10時00分~18時00分
(入館は17時30まで)
休館日:月曜日、年末年始
入館料:無料
総括ーーSummary
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西都原古墳では「古墳の上には登らないでくだ
さい」という注意書きの立て札をよく見ます。
登りたくなる気持ちはよくわかりますが
1400年前の貴重な遺構であるとともに豪族が眠り
についているお墓です。
古墳の上に登ることは学術上、古代のロマンを踏み
にじり、文化財的価値が崩壊させることに繋がる
ため決して登るべからずです。
西都原古墳群には古代から多くの大小の国がこの地
に存在したといわれています。
しかし、その古墳の大部分はいまだ発見されない
まま、まだ見ぬ古代のロマンを秘めていそうです。
(次回)ーー日本初の出会いが誕生した地