【飫肥城】in宮崎2ーー400年の歴史を持つ苔むした城壁と次の世代のまちなみ現代アートのコラボ

宮崎ーーMiyazaki
日南ーー日向国の南に位置する Nichinan

飫肥城ーーCastle

道の駅 酒谷
飫肥に行く前に茅葺の屋根の道の駅でひと休み。
酒谷や日南市で栽培された新鮮な農産物が
並んでいて地元の人やドライブで立ち寄る人が
多い印象です。
 
飫肥城とその城下町を含んだ周辺は1977年(昭和52)
九州で初めて「重要伝統的建造物群保存地区
略してデンケンに選定されました。
 
私が訪れたときベストタイミングだったため
DENKEN WEEK(デンケンウィーク)”という祭典が
催されていました。
 
古民家とアート。
一見かけ離れたような物事をアーティストの創作性
によって多様な可能性を提示してくれます。
 
最初のアートは豫章館の四聖獣。
筆や絵の具、オブジェの位置など計算された
配置は見事です。
 
豫章館(よしょうかん)ー
飫肥城下町では最も格式の高い武家屋敷。
明治2年、伊藤裕帰が飫肥藩知事に任ぜられて
城内よりこの屋敷に移りました。
 
飫肥城大手門
1870年(明治4)に取り壊された大手門を
1978年(昭和53)に樹齢100年の飫肥杉を使って
復元されました。
NHKドラマ「わかば」のロケ地にもなっています。
 
◆Pick up◆

飫肥城 (おびじょう)

築城年:南北朝時代
築造主:土持氏、伊東祐兵
構造:城郭ー群郭式平山城、天守ーなし

◯伊東四十八城の一つ

◯2006年(平成18年)日本百名城(96番目)に選定

 
大手門を通った先の細長い幅の階段を進んでいきま
す。ーー入城料は無料
 
4隅に生えた4本の立派な杉の対角線の中心に立つと
幸せパワーがもらえます。
ーーピラミッドパワー的なかんじです

松尾の丸

階段を上った場所にある飫肥城の郭。伊藤氏と島津
氏が飫肥城という一つの城を巡って長きにわたり
争ってきた例は歴史的に非常に珍しいです。
 
樹齢100年の飫肥杉を使用し江戸時代初期
の書院造の御殿として昭和54年に新たに建てられました。
部屋数が20以上もあり城主になった気分で写真撮影
ができます。
 
昔の時代の暮らしの中で水回りは特に気になります。
この便器は参勤交代で宿泊した本陣などを参考に
作られました。
 
便器の下には箱があり、砂や灰が入っていたといい
ます。引き出して便の健康状態を確認していました。
ーー猫用トイレみたい
 
豊臣秀吉が京都の聚楽第で使用したと伝えられる
湯殿と同じものが復元されています。
 
下にある釜でお湯を温めて、その蒸気で体を温め
洗い場で体を洗っていました。

旧本丸跡(飫肥杉林)

本丸跡には藩校振徳堂が小学校の敷地に建てられて
います。敷地が広く、築城時はかなり大きなお城で
あったことが推察できます。
 
一面苔の上に樹齢百年を超す飫肥杉が背筋を伸ばし
まっすぐ立っています。静寂に包まれた中風だけが
通り抜けるこの神秘的な場所は時が経つことを忘れてしまいます。
 
連続テレビ小説「わかば」でヒロインの若葉が落ち
込んだ時、元気を取り戻した舞台です。
 
飫肥城歴史資料館が併設していて飫肥ゆかりの
文化遺産が展示されています。飫肥藩の歴史を
もっと知りたいとき訪れるととても勉強になります。
 
飫肥城周辺を観光する際は「飫肥城由緒施設(7館)
の共通券がオススメです。
大人¥610 高大¥460 小中¥360
ーー豫章館、松尾の丸、歴史資料館、小村記念館
  商家資料館、旧高橋源次郎家、旧山本猪平家
 
観光駐車場のチケット販売所で購入できるため
あらかじめ買って用意しておくと観光がスムーズです。
 
住所:宮崎県日南市飫肥10丁目
TELL:0987-25-4533(飫肥城下町保存会)
開館時間:9時00分~17時00分(最終受付16時30分)
休館日:12月29日~12月31日
入館料:一般¥210
駐車場:飫肥城観光駐車場(無料)

関連サイト飫肥城下町保存会

飫肥城下町ーーTown

武家屋敷通り(横馬場通り)に面した資料館や古民家
を巡ります。
 
右の写真はポーツマス条約で日露戦争終結に導いた
明治の外交官”小村寿太郎”の業績等を紹介した資料
が展示されている「国際交流センター 小村記念館
 
小村寿太郎生家
小村寿太郎候が生まれた建物の一部は武家屋敷通り
に復元されました。
 
なんとなくわかるーー小村寿太郎

 
明治の外交官、政治家。
正直を貫き、大舞台にも臆することなく近代国
家を築き、日本の国際的地位の確立を果たした
宮崎が誇る偉人
 
1855年(安政2年)9月16日、日向国飫肥藩の
藩士の長男として生まれる。
ーー嫌(18)でござ(53)るペリー来航から2年後
         ⇩
1861年(文久元年)6歳で藩校振徳堂に入る。
明治2年(1870年)卒業し、大隈重信が作った致遠館で英語を学ぶ。
ーー飫肥の西郷と呼ばれた小倉処平から大きな
  影響を受ける
         ⇩
1870年(明治3)大学南校(現・東京大学の前身)
に入学。
第1回文部省海外留学生に選ばれてハーバード大学へ留学し、法律を学ぶ。
ーー小倉処平も大学南校の少舎長に任命され
  貢進生を提言
         ⇩
帰国後は司法省に入省し、1884年(明治17)に外務省に入る。
外務大臣・陸奥宗光に見いだされ、1893(明治26)清国公使館参事官を務める。
ーー同時期、父の事業が失敗し、小村家は破産
  これによって小村家は多くの借金を抱える
         ⇩
1901(明治34)第1次桂内閣の外務大臣に就任。
日英同盟を締結し日露戦争後の1905年
(明治38)には日本全権としてロシアのウィッテ
と交渉して日露講和条約(ポーツマス条約)
締結。
ーー国民からは罵詈雑言を浴びせられ、日比谷
  焼討事件や小村邸への嫌がらせが行われる
         ⇩
1908年(明治41)第2次桂内閣で再び外務大臣に
就任。
幕末に結んだ不平等条約を撤廃するための条約
改正に奔走する。
 
1911年(明治44年)日米通商航海条約を調印し
関税自主権の回復を果たし、日本は独立国家と
しての一歩を踏み出した。
         ⇩
1911年(明治44年)桂内閣総辞職に伴い政界を
引退。同年11月26日、結核により葉山町の
別荘で死去。満56歳。
ーー墓所は東京都港区にある青山霊園
 
大手門通りと本町商人通りの交わる場所に
生誕地の碑があります。
 
振徳堂(しんとくどう)ー
1831年(天保2)飫肥藩13代伊藤祐相公により開校。
孔子と並ぶ中学の儒学者、孟子の教え「又従而振徳
之」から名付けられました。
外務大臣小村寿太郎も通った学び舎です。
 
飫肥出身のアーティストの躍動感溢れる切り絵が
展示されています。
 
歴史ある建築物と現代アートのコラボが実現した
ギャラリーです。
 
おび天本舗
飫肥のグルメといったら本町商人通りにある
江戸時代、飫肥藩主伊藤氏も絶賛した「おび天
 
日南海岸で水揚げされた新鮮な魚のすり身に手作り
の豆腐と黒砂糖味噌に秘伝のだしを合わせ油で揚げ
た独特の天ぷらです。
ーー公式HP抜粋
 
本舗の他、付近にある茶屋、蔵で揚げたての飫肥
名物おび天が食べられます。
 
種類が豊富でおび天、ゆずがらし入りを選びまし
た。さつま揚げとは少し違う黒糖が入ったやわら
かい天ぷらですが、デザート感覚でぱくぱく食べ
れます。
 
日南の名物である、みかんの無人販売所。
所々に設置してあり、値段も安いため日南滞在時
私の貴重な食糧になっていました(笑)
 
旧高橋源次郎家
茅葺から瓦葺へと変遷した明治中期の建築物として
価値が高い民家です。
ーー平成22年、主屋や蔵の5件が
  国の登録有形文化財となりました。
 
商家資料館
飫肥城下町の商人通りに栄えた商人宅を改修した
資料館。当時の飫肥本町の商人達が使用していた
道具200点を展示しています。
 
おびの茶屋
祝いの席に欠かせない飫肥の郷土料理ーー厚焼き卵
新鮮な卵と砂糖とみりん、味付けに塩という非常に
シンプルな材料で上品な味を作り出しています。
 
口当たりはぷるぷるでプリンのような茶碗蒸しの
ような不思議な食感です。卵本来の甘さをしっか
り味わえます。
 
新感覚の卵焼き。飫肥に観光に行くならマスト
で食べるべきです。
 
旧山本猪平家
明治40年頃に建築した飫肥の商家の本宅で建築
当初の屋敷が残されています。
 
これぞ現代アートというかんじの展示品。
和室にとても合っています。
 
旧小鹿倉家
飫肥の中心部に位置し、保存状態の良さから飫肥を
代表する築140年の古民家。この時代の建築として
は珍しく武家門を設けていません。
 
旧小鹿倉家(こがくらけ)の保存と活用をするために
高級旅館として生まれ変わりました。
 
全5室で各部屋に北郷温泉の湯を利用した露天風呂
を備える「Nazuna 飫肥 城下町温泉 -⼩⿅倉邸-
がオープンします。
 
住所:宮崎県日南市飫肥
TELL:0987-31-1128
   (飫肥城下文化財を活用した観光まちづくり事業協議会)
開館時間:9時00分~17時00分(最終受付16時30分)
休館日:なし
入館料:飫肥城由緒施設(7館)
    大人¥610 高大¥460 小中¥360
駐車場:飫肥城観光駐車場(無料)

関連サイト飫肥の観光・まちづくり情報サイト

総括ーーSummary

小村寿太郎は外交官時代、側近の秘書官から外交官
としての心得を教えて欲しいと言われ「まず”嘘”を
吐かぬことです」と答えました。
 
外交官は相手の信頼を得ることが何よりも大事。
しかし時には自らを押し殺して国のために“大ぼら”
をふかなくてはならないこともあります。
 
「普段から嘘が多い奴は、こんな時に効き目が無く
なります」とさらに付け加えました。
DENKEN WEEKは毎年10月中旬から一週間の期間
限定で開催されます。
 
伝統的建造物群保存地区のまちなみを散策し
地域の歴史や文化をめぐることでも充分楽しめます。
 
可能なら飫肥に訪れるときは公式HPを確認して
文化財と芸術・食・音楽がコラボレーション
したDENKEN開催中に訪れ有意義な一週間
を過ごしたいですね。
 
(次回)ーー運玉 誰もが持つ幸運の素
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