宇治ーーお茶と源氏物語の聖地 Uji
目次ーーIndex
平等院鳳凰堂ーーTemple
宇治橋は宇治川を跨いで掛かる日本最古の橋の一つ
に数えられますーー大化2年(646年)
木製の高欄に擬宝珠があしらっているところが美し
いです。
宇治川は流れが急で、日本三急流にも数えられて
います。大雨でも降ったら溢れだしそうな勢い
です。
川辺に立つと急流に引き込まれそうになり、大変
危険です。
アニメ「響け!ユーフォニアム」の聖地でもあります。
紫式部のゆかりの地です。こちらの聖地のほうが
有名ですね。源氏物語ミュージアムも近くにある
ので興味のある人は寄ってみてください。
紫式部
・宮廷社会のリアルな実情を長編にまとめた
「源氏物語」の平安時代の女流作者
・貴族文化の王朝時代に登場した才女と知られ
ていて、藤原道長から召し出され宮使えの身
となる
⇩
当時、紙が貴重な時代に作品を早く読みたい
藤原道長が紙や筆を援助していた
・清少納言とはライバル関係で日記の中でも書
き綴っている
・生涯には謎が多く、生・没年・本名も不明
◆Pick up◆
・永承7年(1052年)関白藤原頼通によって創建
・宗派は17世紀以来天台宗と浄土宗の2つの寺院を兼ねていたが
現在は特 定の宗派に属さない仏教寺院である
・1994年(平成6年)「古都奈良の文化財」として世界文化遺産に登録
拝観料:¥600
時間ぎりぎりにも関わらず修学旅行生、外国人観光
客が多くひしめき合っています。
拝観は平等院の周囲の浄土式庭園をぐるっと順路の
通り歩きます。鳳凰堂は時間外だったので仏像壁扉
画など浄土教美術を拝観することが叶いませんでした。
浄土式庭園、阿字池の正面撮影スポットは特に混雑
しています。順番待ちして最前線を確保して
撮りまくりーー美しいシンメトリーです(悦)
極楽浄土の宮殿をモデルにした鳳凰堂。
中堂、翼廊、尾廊から他に類を見ない配置の建物
です。
修学旅行生や観光客がまだ来ていない早朝の静寂
な雰囲気を味わいたいものです。
皆さん一度はやりますよねーー
しかし手元にあった10円が汚い(汗)…
昭和26~33年の間に作られた10円玉(いわゆる
ギザ十)は扉が開いているという都市伝説があり
ますが真意のほどは定かではありません。
ー北翼廊ー
ー南翼廊ー
北、南ともに切妻造、本瓦葺き、一重二階建て
尾廊は切妻造、本瓦葺き、平屋建て
ー梵鐘ー
鳳凰堂と同時期に鋳造されたといわれる「姿(形)の
平等院」として日本三銘鐘の一つに数えられます。
現在の鐘楼はレプリカで2代目、本物と寸分違わぬ
で復元されたものです。
施された装飾が繊細で平安時代の優雅さを彷彿と
させます。オリジナルは風翔館に展示されています。
ー浄土院ー
観光の順路から半ば忘れ去られた位置にあります。
平安時代に開創され歴史があり、救世船乗観音が
祀られています。
風翔館
建築家栗生 明の設計で日本芸術院賞を受賞。
入口は地下にあり、出口は地上にあります。
平等院に伝わる様々な宝物、平安彫刻を展示
しています。阿弥陀如来とともに極楽に導く
「雲中供養菩薩像」が素晴らしく、それぞれ筋斗雲
みたいな物に乗り楽器を携えていて今にも動き出し
そう、展示方法も相まってとても神々しいです。
ーー写真禁止なのが悔やまれます
出口付近には休憩スペースがあり、ここまで歩き疲
れたらベンチに座って休憩しましょう。
ひと休みしたらまた表門を通り、表参道でぶらぶら
したりあじろぎの道から神社巡りしましょう。
今回の戦利品ーーパンフレットやらチケットが車の
中で散乱しているのでこの鳳凰がプリントされた
クリアファイルに入れて実家に送りたいと思います。
宇治神社ーーShrine
「朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
あらはれわたる 瀬々の網代木(あじろぎ)」
あらはれわたる 瀬々の網代木(あじろぎ)」
ーー権中納言定頼
という和歌が詠まれています。
網代木ーー漁の際に網を固定する杭
和歌の名残はあじろぎの道として現在でも残って
います。奥に見えるのは搭の島にある重三十石搭
で、魚の霊を供養するために造立したものです。
川を眺めながら歩く遊歩道には茶屋が立ち並んで
います。ベンチも用意されているので晴れた日
には休憩したり、読書したりしてもいいですねーー
鎌倉時代の建造物で国の重要文化財。
時間帯が悪く、観光客も素通りしていて参拝者が
少ないです。宇治上神社とは二社一体で
「離宮上社」と呼ばれていましたが、次第に二社
に分離して今日に至ります。
立地も近くよく混同されがちですが、こちらは
開運や学問の神様を祀っています。
「見返り兎」の逸話の舞台でもあり、正しい道へ
導く神の使いとしてうさぎが良縁や正しい道へ
導いてくれます。境内の奥の木々に囲まれた場所は
パワースポットとして知られています。
宇治上神社ーーShrine
さわらびの道をさらに進むと宇治上神社に辿り着き
ます。
ーー現存する社として、日本で一番古いとされて
いる神社です
世界遺産に登録されているにも関わらず、認知度は
低いです。事実、私も町中にある散策マップから
存在を知りました。
本殿(国宝)は、平安時代後期に建立された現存する
わが国最古の神社建築。
拝観時間はすでに過ぎていたので隙間からこっそり
と拝殿(国宝)を拝みます。
ーー平安時代の遺構として歴史的価値が非常に高いです
拝殿横にある盛り塩みたいなものは「清めの砂」と
いって1年間神社の邪を払い境内を清めています。
結婚式もよくここで行われているらしいので世界
文化遺産の地であり、宇治十帖の聖地で挙式を挙げ
られたら一生の思い出になりますね!
宇治十帖を散策出来るーーさわらびの道
道中、源氏物語ミュージアムがあります。
さわらびーー源氏物語の巻名 第四八帖宇治十帖の一
「源氏物語ミュージアム」当然ながら閉館。
自然と調和された近代建築のような佇まいで源氏
物語の奥ゆかしい感じもあり綺麗なイメージだけ
切り取ったような建物です。
宇治ぐるめーーGourmet Map
宇治を訪れたのならーー宇治抹茶は欠かせないで
しょう。
それに関係するグルメなど「宇治ぐるめマップ」
を片手に練り歩きます。
ますだ茶屋
こちらは平等院の真ん前に陣取っている老舗茶屋。
TVでも紹介された店なので行列必至です。
抹茶とほうじ茶、2種類ありますが抹茶を選択。
値段も懐に優しい¥300
これでもかと挽きたての抹茶を振りかけてもらい
ます。喉も潤さず上から勢いよくいったのでむせ
ましたが、上に振りかけた抹茶粉の苦みとクリーム
の濃厚な甘さと合わせて上品な味わいです。
これが大人の味なのかな?
抹茶好きなら一口で虜になること間違いなしです。
TELL:0774-21-4034
営業時間:8時00分~18時00分
定休日:年中無休
駐車場:有
GOCHO cafe
店内は明るく温かい雰囲気ですが、精々スタバが
限界な私には眩しすぎます(笑)
早速、1番人気のエスプレッソを注文ーー¥650
その月の最高峰の茶葉を使用しているそうです。
写真では大きく見せていますが実際は小さくて
可愛らしいカップです。取手に指が入りませんーー
まずは香り、新茶の袋の匂いをさらに凝縮させた
ような感じです。ひと口すすり、苦い…風味が
爆発的に口の中で広がります。
まろやか過ぎて飲んでる実感があまりありません。
抹茶というものを初めて飲んだ気さえします。
TELL:0774-25-3335
営業時間:
月~金 11時00分~18時00分
土・日・祝 10時00分~18時00分
定休日:
駐車場:無
お肉のはりよし
食べ歩きの定番中の定番も抑えていきます。
宇治にあるお肉屋さんらしく抹茶を練りこんだ
コロッケが取り揃えられています。
抹茶を練りこんだコロッケ(¥130)と普通のコロッケ
(¥120)を比べると一目瞭然です。
3分待ち、揚げたてを頬張ります。食べてみると
ほんのり甘い、後引く美味しさです。
肉入りコロッケもザックザクで食が進みます。
ーー衣も抹茶色にしたら、なおおもしろそう
TELL:0774-21-2816
営業時間:9時30分~19時00分
定休日:無休
駐車場:無
総括ーーSummary
日本三急流、日本三銘鐘が存在する宇治ーー
2つの世界遺産があり、歴史的な散策だけでなく
グルメも楽しめる京都の観光地です。
平安貴族たちは寝殿造の優美で風流な暮らしから和
歌や物語を楽しむなど、時代を謳歌していました。
しかし、政変により災害・戦乱が頻発したため次第
に社会が乱れ来世への極楽浄土を願う風潮になり
阿弥陀仏を信仰すれば極楽浄土に生まれ変われると
いう「浄土教」を信仰するようになりました。
その象徴として鳳凰堂を建立。外観は阿弥陀如来の
宮殿を模しています。
私は源氏物語を読んだこともなくさっぱりなので
あまり紹介しませんでしたが「源氏物語」を勉強
してから聖地巡りするとまた違った見方が出来て
散策がより楽しくなりそうです。
宇治のグルメはまだまだこんなものじゃありません。
茶そば、団子、パンケーキまでそれぞれの店で宇治
のブランドである宇治抹茶を組み合わせて昇華させ
ているのでぜひお気に入りのお店を見つけてみてくださいーー
次回は、京都のさらにディープな場所から
悲劇のヒロインにして戦国随一の強い女性、細川
ガラシャの足跡を追います