米子ーー山陰の大阪 Yonago
天の真名井ーーSpring water
ふるさと館から目的地に近づくと徐々に道が細く
なり、道路も入り組んでいてわかりづらいですが
田んぼや畑などの田園風景が広がっていく光景は
美しいです。
専用駐車場と中間地点に大きな水車が目印となって
いて休憩所もあります。
そこから程なく歩いた先に”天の真名井”があります。
◆Pick up◆
天の真名井(あめのまない)
古事記・日本書紀
真名井=神聖な井戸
天の真名井=神聖な水につけられる最上級の敬称
◯名水百選(1985選定)
◯山陰を代表する名水で1日2,500tの湧き水と
して生活用水からニジマス養殖まで活用
◯地域住民にとってなくてはならない水源
クリアな天然水を口に着けると冷たさと同時に味わ
い深い香りが広がります。
夏は冷たく気持ちよいですが冬は温かくなるらしい
です。
泉川の下流に弥生時代の遺跡「角田遺跡」があり
2千年も前から集落の生活を支えてきた歴史を持つ
清水です。
高井谷集落では水神を祀っており、四季折々に
”底ざらえ”をしているため古代の姿のまま保存
されています。
お菓子の壽城ーーCastle
お菓子の壽城(ことぶきじょう)
敷地面積 :約12,699㎡(3,811坪)
形 式 :瓦葺入母屋造り
鉄骨鉄筋量 :730トン
天守閣の高さ:27m
総 工 費 :24億円
オープン :平成5年4月25日
ではなくこちらですーー
見た目は日本のお城でヘンゼルとグレーテルに出て
くるお菓子の家ほどファンシーではありませんが
お菓子を作る工場にお菓子の売場がありまさに
”お菓子の城”と言えるのではないのでしょうか。
立派な天守閣を持つ城郭はかつてこの地で栄えた
米子城を彷彿させます。
正直、訪れる予定はなかったのですが遠くから
でも見える天守閣の内部を見てみたいという
好奇心に負けて立ち寄りました。
1階は主にお菓子作りの工場とショップになっていま
す。色とりどりの銘菓や名産が揃っていて、鳥取の
お菓子が全部この城に集まっているかのようです。
ーー試食も多く鳥取のお土産を選ぶ場合は”壽城”
で決まりですね
”チャーリーとチョコレート工場”のようなメルヘンで
ファンタジーな工場見学とは程遠いですがガラス越
しに製造工程を見学でき清潔感あふれる空間です。
作業している人は手際よく次々とお菓子を完成させ
ていました。
2階のスナバコーヒーは広いスペースになっているの
でモーニングなどブレイクタイムに最適です。
私は¥540のモーニングセットを頼みました。パン
はふわふわで緑黄色野菜のサラダ、ゆで卵に
デザートまで理想的な朝食です。
肝心のコーヒーはスタバに勝るとも劣らない味です。
コーヒーを飲み終わってカップの底を覗くと、砂丘
とラクダという絵柄が実に鳥取らしいサプライズ
で嬉しくなります。
”コーヒーの聖地とっとり 共同宣言”
名だたる面々の署名により、「コーヒーの聖地」
に定められました。
ーーまさか鳥取県知事も自身のダジャレによって
聖地に認定されるとは夢にも思わなかったろうに…
3階からの景色は窓越しで悪天候のこともあり、期待
していたほどではありませんが遠くに見える大山は
綺麗でした。
ツイてる神社には1人分しか通れない螺旋階段を
上って行きます。ツイてる鐘があり壽城には
ツイてるシールなどのツイてるグッズが売っています。
ーー旅を続けられている時点で充分”ツイてる”ので
買ってないですけどね
TELL:0859-39-4111
営業時間:月~金 9時00分~17時30分
土・日 9時00分~18時00分
定休日:無休
駐車場:有
西伯郡伯耆町ーー富士山に見える伯耆大山 Hokityo
植田正治写真美術館ーーMuseum
山の上に佇むコンクリート建築の美術館。美術館に
はコンクリートがよく合います。
展示物だけでなくーー外観、内観、展示方法など
ロケーションと楽しむ要素がたくさんあります。
建築家ーー高松伸が設計した「植田正治写真館」
周辺の田園との調和。逆さ富士ならぬ逆さ大山
館内から大山がちょうどいい角度で望めたり様々
なギミックが訪れる人を驚かせ、楽しませてくれます。
植田正治
出生地:鳥取県西伯郡堺町(現境港)
大正2(1913年)~平成元(2000年)87歳没
経歴:昭和7(1932年)19歳で写真館を開業
⇩
・写真のコンテストで数々の賞を受賞。特に
1980年代以降は多数の展覧会を開催し
精力的に活動
・生地の鳥取から砂丘を舞台に人物をオブ
ジェとしてモダニズム溢れる作品を
「演出写真」世界からと称され、”Ueda-cho”
(植田調)として海外から評価が高い
日本を代表するカメラマン”植田正治”は砂丘を
「大きなホリゾント」と捉えます。
ホリゾントとは写真館などのスタジオで記念撮影を
するときに使う背景の紙のことを指します。
砂丘を大きなスタジオとして砂と空だけの舞台に
して写真に欠かせない場所にしました。
入館料:一般¥900
高く感じますが、世界の植田の作品がこの素晴らし
い空間で見られると思うと安いくらいです。
展示物である写真の撮影は禁止なので建物内や特定
のアートだけ写真が撮れます。
開口部を多く設け重厚なコンクリートを軽い
イメージに変えて静寂の中に落ち着きを生み
ゆったりと作品を観覧したり、休憩することができます。
窓に帽子が描かれていて近くには傘や杖といった
小道具が用意してあるので思い思いの撮影ができ
ます。
1人で訪れても反対側には写真台も何もないので2人
で行かないと記念撮影ができません。
ーーちょっちずれたかな。1人じゃ難しい…
空模様は朝から悪かったのですが、逆さ大山のとこ
ろでついに雨が降ってきました。
ーーこれじゃあシルエット大山ですね
植田正治写真館は1995年9月23日に開館しそれから
20年の間で72もの個展が開催されてきました。
壁にはそのリーフレットが飾ってあり、真似したく
なるようなポスターのデザインばかりです。
総括ーーSummary
米子市の水道水は「おいしい水研究会」で全国32市
の一つに選ばれており、世界の様々なイベントで
配ったところ大好評でした。
”真名井”と名乗っているスポットは全国的に存在して
おり、このことから日本が美しい自然と水に囲まれ
ていることがわかります。
壽城は吉川広家が築城した米子城をモデルにして
おり、一国一城令を免れたにも関わらず版籍奉還
の折、主不在のため格安で買い取られただけでなく
風呂の薪に利用された悲しき城です。城内の売場
では自分から試食に手を出すのが苦手な人でも気前
よくオススメしてくれるのでたくさん試食して
お土産選びに失敗しないようにしましょう!
植田正治美術館は植田正治を知らなかった私でも
十分楽しむことができました。
写真を見てから鳥取砂丘へ行く流れがベストだと
思います。構図を真似てみたり小道具を持って
行ったりと演出をしてみることでいつもと違った
写真を撮って楽しみましょう
(次回)ーー神々のふるさとである山陰で妖怪大量発生!