雲仙ーー地獄ある所に極楽あり Unzen
長崎カステラランドーーLand
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海沿いをドライブしていたら大きい看板に
”長崎カステラランド”と書いてあったので一度通り
過ぎた後に気になったので戻ってきました。
カステラを中心に長崎名物を製造販売する1956年
創業の長崎和泉屋が雲仙の愛野町にカステラランド
をオープン。
レストランとカステラの製造工場を併設してリニュ
ーアルしました。
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せんが時間帯によっては稼働していないセクション
もあります。
ーー写真撮影は禁止です
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事務的にコンベアで流れていたり、バイトでパン
工場に行った時と変わらない光景に少し悲しく
なりました。
アンケートを書くと粗品ゲットです。
カステラづくりは材料も製法も単純なので素材で
味の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
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広い売店のデザインはステンドグラスを用い、長崎
らしい華やかな売場になっています。
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カステラの種類が豊富です。お土産に買う場合は
食べ比べしてお気に入りの一品を探せます。
お茶も自由に飲めるので長時間居座ることができます。
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付随してるレストランではテイクアウトメニュー
が揃っています。長崎名物のチャンポンや皿うどん
も食べることが出来ます。
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「カステラソフト」¥300
雲仙牛乳を使用したソフトクリームにカステラの粉
がふりかけられています。添えられたカステラ
スティックはランダムで選ばれます。
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トイレからオーシャンビューなんて贅沢な眺めです。
開放感あふれる空間で用を足せば
武田信玄よろしく、良いアイデアが閃くかも…
住所:長崎県雲仙市愛野町乙愛津5864
TELL:0957-36-2000
開館時間:8時30分~17時30分
定休日:年中無休
入館料:無料
寄り道ーーYORIMICHI
A little detour
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ー千々石展望台ー
駐車場スペースも広く、小休憩にちょうどよい
展望所です。
晴れている日は雲仙岳を望め、千々石(ちじわ)
海岸を一望できます。
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ここにしか売っていない”じゃがちゃん”は
安くてジャガイモそのものの素材を強く感じるため
オススメです。
雲仙地獄ーーHell
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硫黄のツンとした香りが鼻腔を刺激し、あたかも
地獄の底から吹き出したかのような噴気が視界を
覆い尽くす光景に目を奪われます。
観光地である温泉地の反面、歴史の裏で雲仙は
キリシタン殉教地の舞台としても世界的に名を
知られた観光地です。
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ー温泉神社ー
温泉神社方面から隣の地獄への入口が開かれて
います。しかし、スルーして温泉神社に直行。
温泉神社は知る人ぞ知るパワースポットになってい
ます。
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創建は701年(大宝元年)、古くから島原半島一帯
の祈願所として知られていた温泉神社の総本山。
ーー現在の雲仙は元来「温泉」と書いて
「うんぜん」と呼んでいました
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本殿の裏側には樹齢200年を超える2本の木が
寄り添ったような”夫婦柿”は願いを叶えるという
パワースポットです。
祈願の作法はハグをしないといけないので恥ずかし
いと思いますが、周りの目を気にすることなく自分
の願いを貫くことで本当に叶えたい願いが見つかる
のではないでしょうかーー
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奥の院は家内安全、強運祈願の御利益があります。
祈願の作法は水縁を左手から願いを唱えながら3回
廻るという他では見ない作法です。
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ー雲仙地獄ー
もくもくと噴気や熱泥、熱湯が噴出する
ザ・温泉地という景色が広がっていて無料で遊歩道
から見ることが出来ます。
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高低差のある歩道を設置してある雲仙地獄はかなり
広いため、大体30分ほどで周れますがゆっくり
周る際には時間に余裕を持って行きましょう。
雲仙の温泉の泉質は古くからリウマチ、糖尿病
皮膚病に効果がある硫黄イオンの多い硫黄泉で強い
酸性を示します。
Column
「温泉余土と湯の花」
◆温泉余土
安山岩が高い地熱と温泉の強い酸性のため変質
したもの。酸の影響で脱色し、粘土状になっている。
◆湯の花
噴気の硫化水素ガスと土に含まれる鉄やアルミ
ニウムなどが化学反応してできたもの。
ーー湯の花は入浴剤として利用されている
順路に沿って地獄の名称がついた見学箇所を
巡っていきます。
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八万地獄。
八万地獄とは人が持っている八万四千の煩悩に
よってなされた悪行によって陥る地獄のことだと
いわれています。
地獄を恐れる人々の心を投影したような荒涼とした
場所を地獄のイメージと重ね、各地にあるこうい
った光景を古来から地獄と呼んでいます。
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八万地獄を抜けると森に入っていきます。
坂を登っていくと見晴らしの良い場所に
「キリシタン殉教碑」が建っています。
雲仙で拷問を受け殉教した33名を称える記念碑です。
雲仙のキリシタン殉教
1627年(寛永4)~1631年(寛永8)まで続いた
キリシタン弾圧は苛酷な拷問だった。
その時の島原藩主は松倉重政であり、幕府への
忠誠を示すために棄教させる目的で拷問と処刑
が行われた。
最初の殉教者はパウロ内堀作右衛門で他の信者
15名と共に雲仙地獄に送り込まれた。
両足に縄を掛けて逆さ吊りにし、雲仙の地獄
に浸けては戻すを繰り返し殉教する。
その3ヶ月後にはヨアキム峰助太夫ら10名が送
り込まれる。熱湯を柄杓に入れて少しずつかけ
るという熱湯責めの末、絶命する最後まで誰
一人棄教することはなかった。遺体はそのまま
雲仙の地獄に沈められた。
この残忍な拷問の方法は、長崎で捕らえられた
キリシタンにも行われた。しかし棄教する者は
ほぼいなく、再び長崎に送り返されてその地で処刑された。
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お糸地獄。
昔、島原城下で裕福な暮らしをしていたお糸という
女性がいました。しかし、密通を夫に見つかり殺し
てしまった罪で処刑されました。
それと同時期にこの地獄が噴出したため「家庭を乱
すと地獄に落ちるぞ」という戒めを込めてこの名称
が付けられました。
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火山のエネルギーが体感できる休憩所。
足をスノコの上に置いてひと休みです。
ずっと足を置いていたら低温やけどになるため
ほどほどにしておきましょう。
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大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)。
噴気口から聞こえてくる音が地獄からの亡者の叫び
や喚き声のように聞こえることから呼ばれていま
す。
雲仙地獄内にある30の地獄の中で最も活発に噴気
を出しています。
ーーこの音はガラス瓶を口に当てて吹いたときと
同じ原理で発生しています
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邪見地獄。
邪見とは他者を妬む醜い心のことです。
この温泉を飲むと嫉妬心や不和を解消するといわれています。
しかし、飲もうとしても強酸性のため、口にした
瞬間、喉が焼けてしまい飲めません。
遊歩道から見える景色は白い安山岩地帯を抜け緑
が多くなっていきます。
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生前に悪行をした者にどの地獄に落とすか判決する
閻魔大王が座る場所を三途の川あるいは
”葬頭川の婆石(そうずがわのばばいし)”と呼ばれて
います。
鏡に映し出される罪を見届け、閻魔大王が判決を
下すための”浄玻璃の鏡石(じょうはりのかがみいし)”
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泥火山。
火山ガスにより溶けた岩石が白い泥となって噴出
しています。
この日はカフェラテみたいな色合をしていて大人
しい状態でしたが、日によってミニチュアの火山
を形成するので楽しめます。
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雲仙地獄内では至る所で120度にもなる白い噴気が
音を立てて立ち昇る様子が見られます。
地面から湧き出る噴気の大部分が水蒸気ですが
炭酸ガス、硫化水素ガスを含み硫黄臭が強く風向き
によっては道路まで漏れ出てきて自然のパワーを感じます。
現在では観光地となり、たくさんの見物人が押し寄
せていますが、キリシタン迫害の地であった黒い
歴史は忘れてはいけません。
小地獄温泉館ーーOnsen
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ー小地獄温泉館ー
雲仙の数々の地獄を見てきましたが、歩き疲れたの
でこの地獄という名の極楽に入ってみたいと思います。
雲仙温泉の開湯は701年と1300年以上の歴史を誇り
ます。
雲仙地獄から離れた場所に開湯されたのが
「雲仙小地獄温泉」1853(嘉永6)の黒船来航時には
吉田松陰も湯治に来たそうです。
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温泉街から少し離れた周りの森の中に佇む趣の
ある木造の建物。
1919年、江戸時代に開かれた共同浴場は
「雲仙小地獄温泉館」と名前を変えました。
リウマチ、糖尿病、婦人病、皮膚病全般に効能が
あり、地元の人や近くに住んでいる人が通う
穴場的な温泉です。
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硫黄臭のする白濁色のやわらかい天然にごり湯を
掛け流しする日帰り温泉で温度は40度以上と熱い
くらいです。
脱衣所は人が多いと狭く感じますが良い味を出して
おり、浴室は硫黄臭と木の香りが交じり、雰囲気
が良く肌がスベスベになり、まさに「あぁ~極楽極楽」
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休憩所は畳張りになっていて木のぬくもりを感じら
れます。火照った身体をゆっくりクールダウン
させてくれます。
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙500−1
TELL:0957-73-2351
営業時間:9時00分~21時00分
定休日:年中無休
入場料:大人¥460 子ども¥230
駐車場:有
総括ーーSummary
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雲仙温泉は日帰りでも泊まりでも楽しめます。
夜間はナイトツアーという夜の雲仙が予約制で参加
できます。ライトアップされるため昼とは違う音が
聞こえたり、幻想的な光景に目を奪われることでしょう。
ーー本当に地獄の門が開くかも…
1934年(昭和9)3月16日は、瀬戸内海・雲仙・霧島
の3ヶ所が自然を保護する目的で国内で初めて
国立公園に指定されました。
雲仙国立公園は現在”雲仙天草国立公園”
として登録され、長崎・熊本・鹿児島の3県
にまたがっています。
(次回)ーー徹底的に破壊された歴史的大事件の舞台