長崎ーー平和と祈りの都市 Nagasaki
目次ーーIndex
池島ーーIsland
もう一つの軍艦島ーー池島
歴史の始まりである炭鉱開発は昭和27年10月
”松島炭鉱株式会社”により着手されました。
外海発展の中心的存在を果たし、石炭技術によって
日本のエネルギー産業に貢献してきました。
p.m.1:46ーー神浦港
アクセス方法は佐世保港、大瀬戸港、神浦港から
選べます。出航の時間と本数がバラバラなので
あらかじめ調べておきましょうーー
神浦港~池島港行きだとフェリーと高速船
地域交通船が出ています。
私は運賃400円、13時46分のフェリーに乗りこみ
ました。
◆Pick up◆
池島
炭鉱開始年:1952年(昭和27)10月
規模:島の周囲4km
◯長崎県西彼杵半島の西方約7kmに位置
◯昭和50年の最盛期には7,500人を数え
昭和60年には出炭量ーー153万t
◯2001年(平成13)11月29日 閉山
p.m.2:08ーー池島
”池島”という島の名前は現在港になっている
周囲1.2kmの大きな池”鏡が池”からとられています。
海から眺めると、角度によっては軍艦にも
見えなくもない!?
みなと亭では電動自転車のレンタルもやって
いるため島内を隅々まで探検したいというなら
借りることをオススメします。
ーー私は徒歩で地獄を見ました(汗)
ウォーキングマップやアプリの地図を使わないと
どこに何があるかわからないため、無駄に歩く羽目
になります。
食事や飲食物の購入できる場所は1カ所のみ。
自動販売機は港にありますが、つり銭切れに要注意
です。
港近くのアパートは住んでる人がいます。
ーー現在、島民約150人
トイレの場所もあらかじめ島内マップで確認して
余裕ある行動を心掛けましょう!
炭鉱への入口はここです。
ツアーの池島炭鉱さるくに参加すると廃坑の中へ
入ることができます。
ーー私は予約してなかったので参加できません
でした
さらにこれだけ巨大坑道だったにも関わらず、事故
があまり起きなかった奇跡に驚きます。
黄緑色の小ぶりのトロッコに乗って当時の
ヘッドライトも装着し、掘削機なども見学
できるらしいです。
ーー別途有償でお弁当を頼むことができます
p.m.2:26ーー池島港
一度に450tの石炭を船に積み込んだ機械
トリンマーが役割を終え、寂しく鏡が池を
見つめています。
海に向かってレールが延びている機械はかつて石炭
を船に運んでいたものです。途中で切れていますが
貴重な遺産として残っています。
p.m.2:52ーー団地
島内は坂のアップダウンが多く、また舗装されて
いない道もあるので足腰に負担が掛かります。
かつては子どもの笑い声が響き、走り回っていた
であろう団地からは一抹の寂しさを感じます。
p.m.2:59ーー展望台
展望台からは第2立坑が見えます。
立入禁止区域のため途中までしか近づけません。
沖の小島で採掘した石炭を海の地下の巨大パイプ
から第2立坑に石炭を運んでいたという説明が
ありました。
看板にはかすれてますが「御安全に」と書かれて
います。この文字を見ながら海底の仕事場に
向かって行ったのでしょうか。
p.m.3:17ーー8階建てアパート
ユニークなデザインの建物が建ち並ぶ光景は
池島独特の景観です。
当時最先端の鉄筋コンクリートを使ったアパート。
鉄筋は通常の建物より多く使われており、取り壊す
にしても費用が莫大のため、手つかずの状態で
ゴーストタウン化しています。
エレベータはありません。地形の高低差を利用して
4階部分と5階部分に廊下と通路橋を設置すること
で8階の住人は1~8階まで階段で上がらなくても
いいような造りになっている炭鉱関連遺産です。
草の根が絡まったような退廃的な光景はいいですねーー
廃墟好きにはたまりません(悦)
ゲームの舞台にも出てきそうでいつまでも見ていられます。
p.m.3:27ーー池島神社
昭和38年に建立。島にある唯一の神社です。
祭神は伊邪那美命(イザナギノミコト)、大山祇命
(オオヤマツミノミコト)
地図によると四方岳へは境内脇から行けるみたい
ですが道に迷ってしまい、辿り着けませんでした。
p.m.3:39ーー池島小中学校
立派な建物です。1970年(昭和45)には1,800人以上
の生徒がいたそうですが、現在中学校は休校中。
小学校は児童2人しかいません。
近い将来廃校となってしまうのか、時代の流れとは
いえ寂しいですね。
p.m.3:41ーーかあちゃんの店
島唯一の飲食店。不定休なので営業してるかどうか
はその日によります。
中途半端な時間だったのでお腹いっぱいで
食べれませんでした。再訪の機会があったらここで
食事したいです。
「猫島」とも呼ばれるだけあって猫が多い。
その数なんと約300匹。人間慣れしているので
近づいても逃げません。存分にモフれます。
p.m.3:48
道路脇に建ってる鉄パイプは発電所から出た蒸気
を各家庭に送るパイプです。
島の北側はスチームパンクの世界が広がって
います。配管やら鉄骨やらが錆びついていて
雰囲気あります。
自然に呑み込まれていく工場はお気に入りの
1枚ですーー
p.m.4:04ーー旧発電造水施設
昭和41年に日本で始めて設置された海水を真水
に変える施設。
発電所でつくられた蒸気は島内に張り巡らされて
いる蒸気管を経由して湯を沸かしたり、工場や
各家庭の暖房などに使われていました。
ここまでで一周です。
島の周囲は4kmなのですが、10km以上歩いた気
さえします。
船の時間までフェリー発着場で休憩します。
銭湯があったので入りたかったのですが、今日は
休業でした(泣)
p.m.4:45ーーフェリー発着所
十分満足したので船に乗り込み、池島が見えなく
なるまで眺めて帰路に就きます。
総括ーーSummary
炭鉱開発前は小さな漁村しかなかった池島は
炭鉱の開始と共に発展し、道路、住宅などの
ライフラインの整備が次々と行われ、島の人口も
爆発的に増加しました。
しかし、軍艦島同様に石炭産業は30~40年代に
かけてのエネルギー革命と安価な外国炭に押され
国内の炭鉱は経営不振に陥り、次々と閉山に
追い込まれていきました。
その中でも池島炭鉱は国内有数の優れた炭鉱として
最後まで生き残り戦略を図りますが、約3倍にも及ぶ
内外炭の価格差などにより平成13年11月29日に閉山しました。
(次回)ーー「信徒発見」の舞台