【黒島の集落】in長崎2ーー外界から離れ、秘かに信仰を守り続けた隠れキリシタンの集落

長崎ーーNagasaki
佐世保ーー海風の国 Sasebo
前々から隠れキリシタンに興味があったので
江戸時代に迫害を避けるため、大勢の信徒が
渡ってきた”黒島”巡りしてきました。
 
天主堂を含む黒島の集落は
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
として“世界文化遺産”に登録されています。
 
潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統の証と
なる遺産群が数多く残っているので長崎では
どっぷりキリシタン色強めでお送りしていきます!
 
駐車場は「食彩の里よかばい相浦」に停めます。
黒島・高島観光客用の臨時駐車場になっているので
奥から停めましょう。
 
季節の野菜やお土産が並んでいて
道の駅的な立ち位置として地元民や観光客
で賑わっています。
 
a.m.9:51ーー黒島旅客船相浦待合所
相浦港から定期的に黒島行きのフェリーが出航
しています。
今回は10時出航のフェリーを利用しました。
 
相浦~黒島往復¥1,390 所要時間約50分
チャリを持ち込んだのですけど、島内は坂だらけで
あまり活用することができませんでした(泣)
 
a.m.10:05ーー九十九島
九十九島を縫うようにフェリーが進んでいき
途中、高島に寄ってから黒島に向かいます。
 
九十九はたくさんあるという表現で使われており
実際には208の島々が点在している島の密度
日本一の密集地です。
 
そのうちのほぼ全てが無人島ですが、黒島、高島
前島、鼕泊(とうどまり)島の4つは人が暮らして
います。
その中でも島の全域が国の重要文化景観に選定
された最も大きな島が黒島です。
 

Column

祈りの島、黒島

周囲約12km、南北3.4km、東西6km

◆208の九十九島になかで最も大きい島

人口の約80%がカトリック信仰

◆黒島の名の起こりは十字架の「クルス」説
 海から見ると島全体が樹木に覆われて黒く見える説

ーー13世紀には平戸松浦氏の領地として
 「黒島」と呼ばれていた

 
a.m.10:57ーーウェルカムハウス
観光情報やレンタサイクルの貸し出しも行っている
拠点となる場所です。
 
島にはバスもタクシーも走っていないのでゆっくり
歩いて周るのもいいですねーー
 
黒島を舞台にした”坂道のアポロン”の漫画本や
観光雑誌が置いてあるのでフェリーが来るまで
の間の待機や休憩タイムにもってこいです。
 
手書きイラストで黒島のことが丁寧に
まとめられています。ウェルカムハウスなどに
あるので一枚持っておきたいです。

黒島天主堂

a.m.11:07ーー黒島天主堂
ウェルカムハウスから黒崎天主堂までは
約1.5km、徒歩約25分
島内に信号は一つもないので自転車だと快適です。
 
坂道のアポロンの撮影時は天主堂内にピアノと
ドラムセットを搬入。感動的なクランクアップ
シーンになりました。
 
1902年(明治35)にフランス人のマルマン神父が中心
となり、信徒全員が献金や労働などで参加し、黒島
のシンボルとして完成。
ーー1998年(平成10)に国の重要文化財に指定。
 
11~12世紀で流行した西ヨーロッパのアーチを多用
するロマネスク様式の三廊式教会堂(奥行35m、間口16m)
 
祭壇には有田焼のタイルが敷かれ、キリスト像や
ステンドグラスはフランス製で当時のものが保存
されています。
 
こんな威風堂々とした建物を35年かけ、手作業で
40万個もの煉瓦を積み上げるなんて並々ならぬ執念
というか、信仰心を感じられずにはいられません。
 
中は事前予約が必要ですが見学は可能です。
撮影禁止なので畳を敷いていた当時の写真だけ
載せときます。
ーー1991年(平成3)に長椅子に変更
 
明治期の煉瓦造教会堂としては完成度が高く
その後の教会堂建設の模範となった全国的にも
貴重な教会です。

カトリック共同墓地

a.m.11:45ーーカトリック共同墓地
天主堂からあまり離れていない距離に
信徒が眠る共同墓地があります。
ーー黒島は今でも土葬が許可されている数少ない
  特区です
 
特徴として日本風の墓碑に西洋風の蒲鉾形
の棺、上部には十字架が添えられています。
 
天主堂完成後も黒島に残ったマルマン神父はその
生涯を信仰に捧げ、1910年(大正元年)黒島の土
となりました。
 
マルマン神父と信徒たちが眠るこの場所は信仰の証
としてこの島の宝となっています。

信仰復活の地

p.m.0:06ーー信仰復活の地
黒島で初めて神父がミサを捧げ、秘跡を授けられた
出口家の跡地です。
ーー黒島港から2.8km、徒歩約40分
 
黒島の潜伏キリシタンが正式にカトリックとして
復活を遂げたことを語る上で”信仰復活の地”であり
重要な場所となっています。

本村集落

p.m.0:36ーー本村集落
黒島は集落が広範囲に点在していますが
その中で最初に人が住んだ場所で”もとの村”に由来。
ーー黒島港から0.9km、徒歩約15分
 
カトリック一色という印象ですが、本村集落には
島内で最も古い歴史を持つ曹禅宗の興善寺があります。
 
迫害や弾圧の記録があまり残っていないため
キリシタン教徒と仏教徒は共存関係を築いていた
ともいわれています。
 
p.m.1:01ーー串の浜岩脈
約800万年前に地下の溶岩が岩盤の裂け目に入って
すじ状に冷え固まったものです。
 
その後、長い年月をかけて浸食により削られ、固い
玄武岩が突出して現在の姿になった岩脈。
 
三列から成り立っていて総全長が300m以上あり
長崎県最大の規模を誇る珍しい地質構造です。
 
p.m.1:37ーー蕨展望所
蕨集落に近い展望所は綺麗に整備されています。
ベンチが設置してあるので腰掛けて一休み。
 
天気の良い日は絶景が望める黒島随一のスポット
なのですが、この日は曇りがちで遠くまで見通す
ことが出来ませんでした。
 
蕨集落では海から内陸に向かって開拓を進めた
土地利用の様子がよく残されています。
 
蕨(わらべ)は昔、わらびがたくさん採れたことが
由来とのこと。わらびがなまって「わらべ」
となったようです。

cafe海咲

p.m.1:45ーーcafe海咲
島唯一のカフェ。
軽食のメニューも幅広く、飲食店のない黒島
で観光客に重宝されるお店です。
 
お店の敷地内にはルルドの泉もあります。
店内はログハウスのような素敵な内観で
木のぬくもりを感じられます。
 
黒島ブレンド」¥400
黒島の天水からブレンドしたアイスコーヒー。
 
歩き疲れた体が水分を欲していて一気に飲み干し
そうな勢いでしたが、添えのお菓子と共に味わ
っていただきました。
 
p.m.2:25ーー根谷のサザンカ
樹齢300~400年と推定される根回り180㎝
樹高10m以上、温暖な黒島の象徴する樹木。
 
実からとれる貴重な食用油はこの島に移りこんだ
キリシタンたちの生活を支えました。
ーー黒島港から2.2km、徒歩約35分
 
p.m.2:27ーーアコウの巨木
アコウとはクワ科イチジク属の常緑亜高木。
このアコウは樹齢約100年、黒島の中でも最大
の大きさです。
 
アコウは枝や幹からたくさんの”気根”と呼ばれる
根を伸ばし、伸長して地表に達するとそのまま
幹状に発達します。
 
おばけのような見た目の樹木。
垂れ下がったその姿から「タコの木」と
呼ばれています。
 
気根が巻き付いて他の木を絞め殺すこともあるため
「しめ殺しの木」とも呼ばれています。
ーー黒島港から2.3km、徒歩約35分
 
p.m.2:48ーー黒島神社
港に戻り、周辺を散策。
境内には黒島に唯一残っている自然林があり
照葉樹を中心に縄文の森を形成しています。
ーー黒島港から0.1km、徒歩約1分
 
p.m.3:36ーー黒島旅客船
フェリーの最終便は15時30分。
これを逃すと帰れなくなるので夢中になって観光
して時間を忘れないようにしましょうーーー
もう一度言いますが、島にはバスもタクシーも
ありません。
 
黒島から戻ってきた際に「食彩の里よかばい相浦」
でソフトクリームはいかがですかーー
 
プリンセスマンゴーを贅沢に使った
マンゴーソフトクリーム」¥350
さっぱりとした口当たりに濃厚なマンゴーが後押し
します。
 
寄り道ーーYORIMICHI
A little detour
「船越展望所」
食彩の里よかばい相浦からアクセスしやすく無料
駐車場が併設されています。
 
海に近く、ダイナミックに九十九島が一望
できます。夕陽が綺麗に見えるオススメスポットです。
 
日本地図を実測で作製した伊能忠敬も訪れており
「七十に近き春にぞあひの浦 九十九島をいきの
松原」と歌を詠んでいます。
 
70に近い年齢でありながら九十九島や佐世保地方
沿岸の地形は驚くほど正確に測量されており
忠敬の測量技術の高さが伺えます。

総括ーーSummary

長崎各地の隠れキリシタン達は、禁教令の弾圧から
逃れようと迫害があまり厳しくない黒島に移住する
ようになりました。
 
移り住んでから約80年もの間、仏教徒を装いながら
秘かに信仰を守り続けていました。
その後、長崎に外国人のための教会堂である大浦
教会堂が建てられました。
 
1864年(元治元年)出口親子ほか20名が厳しい禁教令
の中、命懸けで長崎に渡りました。
黒島に600人の隠れキリシタンの存在を状況を告白
し、洗礼を受けて伝道師となった出口吉大夫らに
より黒島の信徒は洗礼を授かりました。
 
さらに、ポアリエ神父が来島し、1872年に出口家宅
で島でのミサが初めて執り行われました。
 
約250年間の受難を耐え抜き、潜伏を経て信仰の
自由を手にした信徒の喜びようは想像できません。
 
(次回)ーー佐世保バーガーと三つの搭
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