出雲ーー人とのつながりを結ぶ縁結びの地 Izumo
出雲大社ーーShrine
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縁結びというと男女の関係を連想する人が多いと
思われますがーー私たちを取り巻く環境、人間
関係。結びつきそのものが”ご縁”です。
仕事で良い上司に巡り合う、家族や友人なんかも
当てはまります。今回はそんな良縁を結ぶ総本山
を紹介していきます。
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朝早くから車を走らせ、出雲大社の駐車場に着いた
のは早朝6時を回ったところです。
駐車場は西隣りで一番近く、大型の無料駐車場の
ため満車にはなりにくいです。
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早朝の新鮮な空気を噛みしめつつ、まっすぐに出雲
大社に向かいます。
立派な門柱と鳥居が立っているため迷うはずがあり
ません。
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緩やかな坂になっていて石畳は綺麗に整備されています。
早朝のため、参拝客は多くはありませんが少なくもありません。
坂の途中に”祓社”があるので自分では気付かない穢れ
を清める、これが正しい参拝方法です。
末社ーー祓社(はらいやしろ)、祓戸四柱神(はらえどよはしらのかみ)
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ー参道ー
松の並木道。新雪に足跡をつけるかのごとくジャリ
ジャリとした小気味よい音がします。
砂利道を歩いていると、今まさに神への参拝の道を
通っているんだなーと実感できます。
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参道横には、神話のワンシーンや因幡の白兎が大量
発生しています。
ーー境内はポケモン禁止なので白兎を見つけま
しょう
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古事記または日本書紀の大国主大神が幸魂(サキミ
タマ)、奇魂(クシミタマ)から”おかげ”をいただい
て縁を結ぶ「ムスビの大神」になったシーンです。
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ー取水舎ー
両手と口をゆすぎます。
ーー普段は気にしませんが、格式高い神社なので…
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ー拝殿ー
現在の拝殿は昭和35年に竣功。お祈りを捧げる神聖
な場所。大社造と切妻造りの折衷した様式です。
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巨大なしめ縄は通常の神社のしめ縄の張り方が逆に
なっていることが特徴。
神道では右方を上位に左方を下位にしていますが
出雲大社では”客座五神”が祀られている上位は
左方としています。
Column
客座五神
古事記に登場する天地創生の神様。
天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)、高御産巣立日神(タカムスビノカミ)
神産巣立日神(カミムスビノカミ)、麻志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)
天之常立神(アメノトコタチノカミ)
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ー八足門ー
拝殿と本殿の中間に位置し、本殿を参拝できます。
石畳に描かれている隠れミッキーみたいな模様は
鎌倉時代の巨大本殿の柱があった場所です。
ーー次の記事の古代歴史博物館で詳しく紹介したい
と思います
出雲大社では二礼二拍手一礼ではなく、二礼四拍手一礼
が通常なのでそれに習います。
本殿の周りを時計回りに散策していきます。
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ー十九社ー
旧暦10月に全国の神々が集まった際のお宿。東側に
も同じように十九社があります。
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ー彰古館ー
裏の北側に回り込み、彰古館(しょうこかん)を正面に
捕らえます。
1914年(大正3年)に宝物館として造営されました。
均整のとれた木造建築の切妻が美しいです。
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ー御本殿ー
国宝ーー本殿は”大社造”という出雲大社独特の様式。
御本殿の入口は南側を向いているため、西側に御神
体ーー大国主は西向きに位置します。
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御本殿正面から拝し、端垣に沿って摂末社を参拝し
ていき、この御神座正面にあたる西側から御拝礼
することが正しい拝礼作法です。
この参拝方法は現代でも明らかになっていない
出雲大社最大の謎になっています。
Column
大社造(たいしゃづくり)
◆伊勢の「神明造(しんみょうづくり)」と対比されることが多い。
◆切妻造、妻入り。神社建築の中で最古の形式
◆入口は右側に寄せて設けられていて、湾曲した大屋根
◆掘立柱を田の字に配す形で社殿を支える。
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摂社ーー素鵞社(そがのやしろ)
御祭神ーー素戔嗚尊(スサノオミコト)
隠れたパワースポットです。第六感が強い人は何か
を感じるみたい…
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末社ーー釜の社(かまのやしろ)
御祭神ーー宇迦之魂神(ウカノミタマノカミ)
素戔嗚尊の御子神で食物をつかさどる神様。全国
の稲荷社の御祭神です。奥は東の十九社。
本社境内の格式
本社(ほんしゃ)>摂社(せっしゃ)>末社(まっしゃ)
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ー神楽殿ー
本殿を一周し終わったら忘れずに訪れたい本殿の
西側に位置する神楽殿。
6年振りーー2018年に大注連縄が取り替えられまし
た。拝殿のしめ縄より大きくーー
長さ13.6m、重量5.2t、胴回り最大8mの
日本最大級のしめ縄は圧巻です。
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もちろん神楽殿のしめ縄も拝殿同様、逆向きに
なっています。
ーーところで、しめ縄って蛇を連想させますね
古代から蛇は神聖視されていて結界の役目、この
世とあの世の境目を表しています。
出雲大社 北島国造館ーーShrine
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東側の門から”真名井の社家通り”に行くと、誰もいな
い静かな道に出ます。
見学自由な”北島国造館”があるのでこちらも忘れずに
訪れましょう。
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北島国造館には夏越の祓(なごしのはらえ)が中心に
設置してあります。
茅の輪(ちのわ)のくぐり方の説明が詳しく書いてある
のでけがれを祓ってみました。
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池泉回遊式庭園が観賞できる画像左の浮島にある
天神社(てんしんしゃ)
御祭神は少名毘古那神(すくなひこなのかみ)。大国主
神と深いご縁のある神様です。
画像右に学問の神様ーー菅原道真公を祀っている天満宮。
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さらに東に足を伸ばすと、神皇産霊神(かみむすびの
かみ)を祀った命主社(いのちぬしのやしろ)と樹齢
約1000年のーームクノキの社。セットで参拝したいですね。
出雲大社 4つの鳥居ーーTri-i gate
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御拝礼も終え、元来た参道を通るとすれ違う人が多
くなってきました。
門前町に繰り出そうと鳥居を抜けたらーー
あら、お店が開いていない(汗)
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店が開くまでもう少し時間があるので遠くに見える
宇賀橋の大鳥居まで歩きました。
近くで見ると大きく立派です。鉄筋コンクリート製
で高さ23m。2000年に建てられた熊野大社の
33.9mには負けますが、2000年まではコンクリ
ート造第一位を誇っていました。
鳥居について、出雲大社はおもしろい特徴がありま
す。
宇賀橋の前にある”石”ーー鉄筋コンクリート製。
本殿の高さ24mと比較すると1mの差があります。
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第2の鳥居ーー”木”の勢溜の鳥居(せいだまりのとりい)
昔に芝居小屋が設けられ、人の勢いが溜まるという
ことで勢溜といいます。芝居小屋がなくなった今で
も参拝客が集い勢いが集まっています。
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第3の鳥居ーー”鉄”の鳥居
赤く錆びた鳥居が松原に馴染みすぎていて気付かな
い人もいるかもしれません。
真ん中は神様の通り道ということで左右の参道を
通ることになります。
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第4の鳥居ーー”銅”の鳥居
この鳥居は金運アップの御利益があるということで
多くの人が触ります。
ーー私も触りましたが擦れてつるつるになっていま
した
このように出雲大社の鳥居は石・木・鉄・銅と異な
る材質で出来ています。全てをくぐって”縁結び”の
御利益アップを狙いましょう!
総括ーーSummary
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古代に建てられた最大の大きさを誇っていた
出雲大社。そもそも神社は神様を祀るために
建てるもので、その中には怨霊も含まれています。
大国主神に最高神・天照大御神が使者を送り国を
譲るように迫ったと神話に記述がありますが
実際は他の王朝ーー大和王朝に滅ぼされ大国主神
は悪霊になりその怨念を畏れた人々が出雲大社を
建立したともいわれています。
神坐が横を向いていたり、本殿に他の神が祀られて
いたり、しめ縄が逆だったりと不可解な点が多く
見受けられます。
そのことから「巨大注連縄」と「客座五神」の
二重の結界で大国主神を抑えていると考えると
古代歴史の謎にロマンを感じませんか!
ちなみにーー出雲大社の正式名称「いづもおおやしろ」
と読みます。
地元の人でも「いずもたいしゃ」と読むので間違え
地元の人でも「いずもたいしゃ」と読むので間違え
るのも無理ないですね。
(次回)ーー出雲の歴史を学び、日本一高い灯台に登ってみた!