【出雲日御碕灯台】in島根4ーー出雲の歴史とグルメを堪能してから日ノ本の夜を守る日本一の灯台に登ってみた!

島根ーーShimane
出雲ーー人との繋がりを結ぶ縁結び Izumo
出雲大社から東隣、歩いていける距離にあるため
参拝の後に立ち寄ると出雲歴史や文化、日本の
成り立ちなどの神話の伝承が学ぶことができます。
 
古代出雲歴史博物館のコンセプト
「出雲風土紀を現代に再現」
設計者は槇文彦(まき ふみひこ)
代表作に「スパイラル」「幕張メッセ」があり、
国内外の数々の賞に輝く90歳の巨匠。
 
また、未来のためにーー景観、歴史を損なうとして
「新国立競技場」案に疑義を申し立てたことは最近
のことです。
 
館内に入ると、まず広い中央ロビーに案内され
ます。平成12年に発掘された出雲大社境内遺跡
の巨大本殿の柱が展示しています。
 
宇豆柱(うづばしら)というスギ材を三本を一つに
束ねた柱が地表から1.4mの掘ったところから
直径約1.4mの柱材が三本揃って出土されました。
 
出土した場所は前の記事で隠れミッキーと言って
いた八足門前です。
ーー模型で見るとわかりやすいですね
 
大社造の9本のうち、本殿中央の心御柱(しんのみ
はしら)、宇豆柱、南東側柱の3本の柱の心々距離
から本殿規模を推定すると梁間13.4m、桁行11.6mになります。
 
また、この遺構は土器・放射性炭素測定法によると
1248年(宝治2年)鎌倉時代に造営された可能性が
高いことがわかりました。
 
ロビーで圧倒されましたが、博物館はまだまだ序の
口です。というか玄関先です。次は常設展から
お届けします。
 
出雲大社はかつて杵築大社、天之日隅宮(あめのひす
みのみや)とも呼ばれ、なんと奈良時代にはその名の
記録が残っています。
 
しかし、いつどこゲームではないですけどーー
いつ、だれが、何の目的でどのようなかたちで創建
したのか現在でも多くの謎に包まれています。
上の模型、実は5人の学者が発見された宇豆柱をもと
に考察し、製作した本殿の姿です。
 
平安時代の出雲大社本殿の10分の1模型です。
「雲太(うんた)」とよばれる高さ約48mもの
日本一高大な本殿があったという学説に基づい
ています。
ーー109mもの階段を上るとなると御拝礼の難易度
  がぐーんと跳ね上がりますね
 
先ほどから、ちらちら見えていたX形の木は出雲大社
の屋根にあった”千木・勝男木
長さ8.3m、重さは500㎏を超え、本殿の巨大さに
驚きます。
ーーひと一人くらい余裕で磔にできそうなくらい
  大きいです
 
超大量の銅剣と銅鐸が出土されています。一か所
からの出土数では全国一を誇る”荒神谷遺跡”の
銅剣358本、”加茂岩倉遺跡”の銅鐸39個など
国宝計419点を見ることができるのは
「島根県立古代出雲歴史博物館」だけです。
ーー出土物からこの地で大規模な戦があったのかと
  考えてしまいます。
 
体験コーナーでは火おこしや圭頭太刀を復元した
金ぴかの剣に触れます。手に取ってみて王者の
気持ちを味わってみてください。
 
出雲のお土産といえば勾玉。その原料の玉の原石は
火仙山産の碧玉原石
 
現在では原石は貴重で一般には手に入りづらく
なっています。これを削って磨いて綺麗な輝きを
放つ勾玉になるなんて神秘的ですね。
 

Column

勾玉
◆古代からの装身具。祭祀(さいし)に用いられていた。

◆日本書紀では”勾玉”古事記では”曲玉”それぞれ表記される。

◆日本と朝鮮の一部地域から縄文時代にはすでに作られていた。

◆神話では三種の神器の一つ、”八尺瓊勾玉”(やさかにのまがたま)と伝わる。

◆形は太陽と月を表していて、重なった姿を宇宙信仰とし、空いた穴は祖先との繋がり

によって災厄や呪詛から身を守るためーーその他所説あります。

 
神話シアターでは時間帯によって上映内容が変わり
ます。全種類見ようとすると2時間は掛かります。
ーーシアター系は眠くなってしまうのでタイミング
  よく上映するスサノオ神話だけ観ました
 
館内は牧文彦と有名デザイナーがコラボしたと
あって精錬された内観。
 
特に空中歩廊やガラス張りの向こう側の景色など
展示物以外にも大いに楽しむことができます。
2Fはカフェになっていて、出雲大社の参拝や
おみやげ巡りに疲れた際、一息つける場所です。

荒木屋ーーGourmet

再び出雲大社前に戻り、出雲で本場の出雲そばを
食べてみたく食べログなどで評価の高い
ーー荒木屋に決めました。
 
平日、休日関わらず開店10分前には行列必至な有名
店です。店がなかなか見付けられず、開店直後と
まではいきませんでしたが、並ばずに店に入れまし
た。注文も終わり時計を探していたら、なんとタモリさんのサインを発見!
 
縁結び天セット」¥1,490
テーブルに豪勢に飾り付けられた皿の華やかさは
まるで季節外れの正月のようです(笑)
 
香りが良い甘めのつゆをそばにかけて、野菜の天ぷ
らを塩で味わいつつそばをすする。最初にそばと
天ぷらを一緒にした人は天才だと思います。
相性抜群でgood!
 
定番のあま~いスイーツーーぜんざい発祥の出雲
はそばの後に食べる。後引かないすっきりとした
甘味で胃袋をリセットされます。
 
餅は食べやすい大きさで喉に詰まる恐れは少ないです。
量が少なく感じますが、そばは満腹感が得られやす
いので食べ終わってみるとちょうどいい量です。
 
さらにおみくじ付きなので開けてみるとーー吉
しかも先日行った”松江フォーゲルパーク”幸せのイス
は座ってないけど…
 
TELL:0853-53-2352
営業時間:11時00分~17時00分
     (売切れ次第終了)
定休日:水曜日
駐車場:有

公式HP:ー

 
寄り道ーーYORIMICHI
A little detour
門前町がお昼を回って賑わってきました。
縁結びの地だけあって関連グッズが多いです。
どの店先でも魅力的な商品が並んでいて目移りしてしまいます。
 
中でも気になったのがーー
古事記をモチーフに簡素化したキャラクター
ショップ。Tシャツからハンカチ、ぬいぐるみ
まで様々なグッズが所狭しと飾ってあります。
 
ひどいおみくじ。八十神編なのでロクなアドバイス
を貰えないとわかっていてもネタ的に引いてみました。
占いの内容は私にどストライク!お土産は行く先々
で買っているので心配はありません。
 
この先、このストーンが守ってくれると信じて
そっと財布の中にしまいます。
ーーもしかして出雲大社のおみくじより当たる
  かも!?
 
お馴染みのスタバも和の出雲大社、洋のスターバッ
クスコーヒーを意識した外観。2階から出雲大社
を眺望できます。

出雲日御埼灯台ーーLighthouse

灯台に向かう途中にあるもう一つの神話の舞台
ーー稲佐の浜
 
”古事記”にも「伊那佐之小浜」の名で登場しこの場所
で国譲りの話し合いが行われたと書いてあります。
現在でも旧暦の10月10日には八百萬の神々のお迎え
”神迎え神事”が行われています。また、この浜は
明治21年に島根県で最初に開設された海水浴場でも
あり、海開きのシーズンになると多くの海水浴客で賑わいます。
 
丘の上に無料の大型駐車場があり、そこに車を停め
おみやげ屋を通って灯台に向かいます。駐車場から
でも灯台は望めます。
ーー入場時間ぎりぎりなので店は閉まっていました
 
日御埼は、今から2~3千万年以前に噴出した溶岩
からできています。
 
この岩石が激しい波浪の影響を受け、写真のような
幾何学的な断崖が生まれます。
ーー柵もないため崖のほうに近づくと危険です
 
ウミネコの繁殖地として有名な”経島”(ふみしま)
大小2つの島からなり、仏教の経文を重ねたような
岩の形から経島と呼ばれています。
 
日本海岸西部における代表的なウミネコの繁殖地
として昭和11年に国の天然記念物に指定されました。
 
◆Pick up◆

出雲日御埼灯台(いずものひのみさきとうだい)

竣功:1900年(平成13)~1903年(平成16)4月1日(完成)

規模:灯台高さ 43.7m ← 石造りで日本一高い

   水面から灯火 高さ63.3m 

◯日本の灯台50選、世界灯台100選

 
近くで見ると本当に大きいです。そして白亜の塗装
がとても綺麗。灯台というより搭です。塔の上から
髪の毛でも垂らしてくれれば簡単に上まで行けるんですけどね(笑)
 
中は螺旋階段で辛うじてひと二人分通れるスペース
しかありません。外から見るだけでは気付きません
でしたが、内部構造が観察できる箇所から覗いて
みるとよくわかります。
一般公開:大人中学生以上¥200
 
灯台は地震に耐えるため外観が石造り、内観が
レンガ造りの二重構造になっています。
 
さらに外壁と内壁の間に空間を設けた二重殻構造
の灯台は外国では見られない日本独自の技術が
使われています。
ーーさすが地震大国、日本!
 
外径は8mあるのに対し、内径=階段など立入可の
場所はたった3.5mしかありません。
ーーいかに強固な構造をしているか垣間見えます
 
内部の階段は横に小さく段数が書いてあるので
先が見えないほど続く階段でもあとどれくらい
で最上階に着くかわかりやすくモチベーション
の維持にもなります。
 
6Fーー163段で灯室に着きました。悪天候で開口不
可で景観を見ることは叶いませんが、真上にバカ
でかい1等レンズ(フランス製 直径2.59m)があり
ます。
ーー全国でも5か所にしか設置していない貴重な
  ものです
 
現在でも、島根半島最西端を照らし、日本海を航行
する道しるべとして活躍中です。
 
灯火する様子を見たいので、車で待機して再度向か
います。近くまで行く元気はありません。
雨も降ってきたし(汗)
 
光度48万cd、約40㎞沖合まで達し、100歳を超え
ても、なお現役で夜の海の航行を守っている姿が威風堂々としてます。
 
今回の戦利品ーーSENRIHIN
A little detour
やはり”勾玉”は外せません。それも金運、欲望まる
出しですね(笑)
缶バッチは古事記のシーンをなぞらえたもので泣い
ているオオクニヌシがキュート!

総括ーーSummary

島根県立古代出雲歴史博物館は神話や歴史、文化に
興味がなくても展示品の説明を読まなくても楽しめ
ます。
とにかく展示数が多いため、時間に余裕を持って
周ることをおすすめします。
 
私は信州そばのような歯応えがあるコシの強いそば
が好きなんですけど、出雲そばの味わい深い甘い
つゆと一緒にすする喉越し抜群のそばも良いものです。
ノッポの白亜の灯台と青空のコントラスト、眩い
ばかりのオレンジの夕陽。
さぞや良い絵になったでしょうねーー
 
私が訪れたときは曇天だったので空模様と被ってい
て非常に残念でした(泣)
9月15日の”夕日コンサート”ではライトアップされる
のでタイミング会う方は見に行ってみてください
 
ちょっとためになる由来話ーーYURAI
Origin
大黒柱ーー日本民家の中央にある最も太い柱。家族
や集団の中心となりそれを支える人物。
正確な語源は未詳ですが、国の柱という意味の
大国主神が転化し「大黒柱」になったという説があります。
(次回)ーーかつての日本一の銀山江戸の財政を支えた石見
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