【石見銀山】in島根5ーー銀が世界を丸くした!アジア圏で唯一の世界遺産。江戸幕府の財政を支えた銀山

島根ーーShimane
大田ーー国内唯一、銀山の世界遺産 Oda
島根県唯一の”世界遺産”ーー石見銀山
石見銀山の概要、歴史や文化を紹介している2008年
(平成20年)にオープンした世界遺産センターです。
 
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駐車場が完備されているので気軽にアクセスが可能
です。石見銀山に行く前にまずはこの世界遺産
センターで予備知識を蓄えてからがオススメです。
観光マップも貰えるのでスムーズに町並みを散策できます。
 
★TOPICS★

なぜ石見銀山が世界遺産に登録された?
1)世界的に重要な経済・文化
 16世紀は”銀の時代”、日本を「銀の島」と呼ぶほど
 で石見銀山から世界進出していき経済・文化の交流
 を図っていった。
2)伝統技術を良好に残す
 日本の近代化に伴い、銀生産方式の痕跡が考古
 学的な遺跡として良好に残されている。
3)生産から搬出に至る全体像を明確に示す
 鉱山だけでなく、銀の生産から流通に至る土地
 利用。鉱山活動に伴う人間の営みが残っている
 状態に価値があると評価された。

 
戦国時代後期から江戸時代前期にかけて最盛期を迎
えた石見銀山は”間歩”(まぶ)と呼ばれました。
 
採掘の際に使用する坑道や町の人の営みや暮らし
物資搬入のための経路など14の構成資産によって
世界遺産に登録されています。
 
センター内は第1から第4展示室に分かれていてそれ
ぞれのコンセプトに従った展示物や映像で解説して
いますーー
※展示室撮影不可
 
第1展示室ーー世界史に刻まれた石見銀山
石見銀山が世界から認知されていた経緯など記録が
残っています。日本は世界の約3分の1の銀を産出
していたーー
 
第2展示室ーー石見銀山の歴史と鉱山技術
当時の町並みのジオラマから関わっていた人の暮ら
しぶりが伝わってきます。
ーー石見の銀が江戸時代にはほぼ残っておらず国内
  で完全な丁銀形で残っているものは70枚と
  みられています
 
第3展示室ーー石見銀山の調査・研究
16世紀に東アジアの軍資金など需要が高まり、博多
の貿易商人の偶然の発見により石見が銀の産出大国
になりました。
 
第4展示室ーー石見銀山遺跡とその文化的景観
銀は金より貴重だった!?銀座の他に金座があった!?
などなど銀にまつわるトリビアが楽しめます。
 
最大級の坑道跡ーー大久保間歩のVRも体験でき
ます。普段は金・土・日・祝日に一般公開している
のですが、平日にも世界遺産センターでVRが体験
できます。
ーー実際に行くと約2時間かかるところ、VRだと
  3分で体験できます
 
館内はスタッフが丁寧に案内してくれます。
また、石見のオススメの散策ルートも教えてくれる
のでぜひ先に寄りましょう!
 
所在地:島根県太田市大森町イ1597-3
TELL:0854-89-0183
開館時間:8時30分~17時30分
観覧時間:9時00分~17時00分
     (最終受付時間16時30分)
観覧料:300円
定休日:毎月最終火曜日、年末年始
駐車場:400台

公式HP:https://ginzan.city.ohda.lg.jp/

 
スタッフに15分で行ける仙ノ山展望台を教えてもら
って行ってきました。雑木林の中に木の階段が続きます。
ーー気になったので登ってみました。そこに山が
  あれば登ってしまう男(笑)
 
あと200m。直線にするとあっという間ですけど
山登りだと遠く感じます。
展望台は木組みになっていて森に囲まれています。
樹海のような森林と遠くの三瓶山が綺麗に見えます。
 
反対側では石見の町並みが一望できます。
宿場町のような町並みを感じられ、江戸時代の名残
を残しているため散策が楽しみです。

石見銀山ーーMine

 石見銀山WALKING MAPーー散策MAPは忘れずに
もらって行きたい場所をチェックしておきましょう!
 
車を「石見銀山公園駐車場」に停めます。石見銀山
唯一、常時公開している”龍源寺間歩”までかなり
距離があるのでレンタル自転車を利用すると間歩
だけでなく町までのアクセスが容易です。
 
福神山間歩
しばらく歩くと…というか自転車を漕いでると
人ひとりが入れそうな坑道跡ーー間歩を発見。
川の下を掘り進めた特殊な坑道です。
 
石見銀山にはこういった間歩が大小600余り
(水抜き・通気用・試掘を含む)が点在しています。
 
ゆるやかな坂が続きます。電動自転車じゃないと
キツいかも(汗)
自然豊かな遊歩道といったところでしょうかーー
小川の流れに逆らいます。
 
寄り道なしで徒歩20分、自転車約10分。汗みどろに
なって龍源寺間歩に到着!
ーー途中おもしろそうなお店を発見したので帰りに
  寄ります
 
入口付近は夏でも寒く感じるひんやりとした空気が
流れているので軽く羽織れるような上着は必須です
ーー入場料:大人¥410
 
◆Pick up◆

龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)

開発:1526年~閉山:1943年(昭和18年)
ーー約400年間開発が続いた

規模:本来の長さ 600m 観光用 157m

◯大久保間歩に次いで2番目に大きい

◯横幅2尺(約61㎝)高さ4尺を1日5回交代で10日間で10尺掘ったと伝わる

◯2007年にアジアで鉱山遺跡としては初めて世界遺産に登録された

 
坑道内は外とは空気から違います。パワースポット
のような…
 
そして思ったより広いです。岩を削り、人ひとり
やっと通れる坑道が間歩と呼ばれます。
明治時代に観光用のため横幅を広げたようで、私の
足音以外は水音しか聞こえません。
 
ひおい坑
龍源寺間歩の特徴として、坑道の壁面や天井に
ノミ跡が見られ小さな坑道がいくつも上下方向
に延びる斜坑です。
 
ひおい坑”とは鉱物の層(鉱脈)を追って左右に掘り
進んだ小さな坑道のことです。
ーー立入禁止の場所が多く狭小の空間になって
  います
 
竪坑
垂直に掘られた坑道のこと。龍源寺間歩に溜まった
水を約100m下の永久坑道へ排水し、やがては海に
流れます。
ーー排水問題が一番の難題ですが、まさかこんな
  ウルトラC(古)とは
 
湿気がある場所には苔が生えていて、いかにもRPG
の洞窟らしく歩くのが楽しいです。
 
ここまでで入口から半分。途中そこかしこに
”ひおい坑”が見られます。
 
旧坑道を通り抜け、116mの新坑道から出口に向か
います。ここで新坑道で曲がらず、まっすぐ進む
と江戸時代に掘られた当時のリアルな間歩に入る
ことが出来ます。
ーーこんなとこ1人でいたら発狂する自信があります
 
新坑道
熱風のような生暖かい外気温が流れてきます。
出口付近では「石見銀山絵巻二巻」が展示されて
いて、坑道の作業風景が描かれています。
 
坑内の湧水を木製のポンプで上へ引き揚げ疎水坑へ
流し混んでいたりーー最先端の技術が利用されてい
ました。
 
石見銀山で働く鉱夫は罪人とか島流しされた人だけ
ではなく軍艦島のように賃金が他とは段違いで待遇
が良く、進んで出稼ぎに来る人が多かったようです。
 
さらに江戸幕府の財政を支える重要な役割である
ため、医者が常駐していたり新鮮な空気を送るため
の通気口など健康面に常に気をつけていました。
 
15分ぶりのシャバですー!
太陽眩しーとか言いたいところですが、今にも雨が
振りだしそうで逆にテンション下がります。
 
大久保・永久・新切・新横相間歩と紹介した龍源寺
間歩を合わせて銀山を代表する「五か山」といいます。
その中でも気軽に訪れることができる龍源寺間歩。
ここを訪れなくして石見銀山は語れません。
 
寄り道ーーYORIMICHI
A little detour
龍源寺間歩の出口は入口より離れた場所にあり
間歩を通らないとまず見つけることのできない
小屋があったので入ってみます。
 
国内で唯一、この工房で手作りしている”香り袋”
香りがしなくなったら金づちでトントン♪と叩けば
あら不思議!何年でも香りが継続します。
 
なぜこんなに良い香りがするのか香木師の中村さん
に聞いてみるとーー
石見銀山周辺に自生する「クロモジ」とハーブを
特別にブレンドしたものだと快く答えてくれました。
 
さらに中村さんと話していると銀の原料である鉱石
を見せてもらいました。普通の石よりずっしりと
重量があります。
 
これに灰吹法で鉛に溶け込ませ、純度の高い銀を
抽出します。
2袋買って1つは車の臭い消し、もう1つは実家の
おみやげにしたかったのですが残金的に一袋しか
買えませんでした…
ーー銀行で下ろしておけばよかった(泣)
 
リピーターも多くこれを買うためだけに石見銀山に
来る人もいるそうです。袋の柄はひとつひとつ違う
ので世界で一つだけの自分だけの”香り袋”を
おみやげにどうですかーー
 
他にも石見銀山の歴史を教えてもらえるのでこちら
にも気軽に寄ってみてください。
 
さらに山を下りるとーー佐毘売山神社(さひめやまじんじゃ)
祭神は、鉱山の守り神である金山彦神で別名
「山神社(さんじんじゃ)」鉱夫や村人からは
”山神さん”と呼ばれ親しまれています。

せせらぎ茶房 まぶの家ーーCafe

お坊さんが経営しているカフェ。コーヒーから軽食
まで揃っていて龍源寺間歩からの帰り道のブレイク
タイムとして最適な位置にあります。
 
アイスクリーム天ぷら”という世にも珍しい
メニューに惹かれ立ち寄りました。
 
店内もおしゃれでテラス席に案内してもらい、周り
の環境も森林に囲まれていて雰囲気◎です。
 
マスターが話してくれる大森町のお話は観光案内所
では聞けないようなディープな内容でーー佐渡金山
の奉行、元甲斐武田武将”大久保長安”が職人を銀山
に連れて行って湧水のノウハウを伝授したり
まぶの家の裏の林の中に村があったことなど初めて
聞く内容に興味津々でした。
 
アイスクリーム天ぷらは熱い、冷たい、甘い、美味
しいという感覚を一度に味わえることができます。
熱々でサクッとしている間に召し上がりましょう。
 
付け合わせのドライフルーツが味を七色に変化して
くれるので最後まで新鮮な味を楽しむことができます。

総括ーーSummary

龍源寺間歩の周辺にシダが生えていたら一攫千金の
チャンス!?
オシダ科シダーーヘビノネコザという種で貴金属を
好む性質を持っているため、金銀山発見の糸口に
なっていました。
ーー昔の職人は血眼になって探したろうなー
 
太田市マスコットキャラーーらとちゃん。
螺灯(らとう)とは真っ暗な石見銀山の間歩で明かり
の代わりにサザエの殻に油を入れて火を灯して使わ
れていました。
 
明るい性格で頭に揺れる小さな炎で人々の心や地域
の未来に明かりを灯しますーー
※”せせらぎ茶房まぶの家”は移転することが決まった
みたいです。
 
移転先は銀山の入り口、武家屋敷渡辺家住宅の裏に
なります。隠れ家的な佇まいになり、より多くの
お客さんに銀山や大森町の歴史が広まることに期待します。
あー、いつになったら佐渡金山は”世界遺産”になるのかなー
 
(次回)ーー十人十色の五百羅漢。大森の町探訪
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