【官営八幡製鐵所】in福岡4ーー時間と空間を超えて旅する近代化産業を支えた世界文化遺産

福岡ーーFukuoka
北九州ーー産業近代化の発祥 Kitakyushu
北九州市の文化財に指定。
八幡製鐵所で最初に建てられた”東田第一高炉跡
操業を終えてからも史跡として無料で見学できます。
 
1901年(明治34)わが国初の本格的な製鐵所
として建設されました。
官営製鐵所で最初に火入れされた溶鉱炉
がこの東田第一高炉です。
 
高炉で溶かされた銑鉄を転炉へと運ぶ役目の
トーピード・カー。形が魚雷に似ているから
トーピードと呼ばれました。
 
鉄をつくるには、鉄鉱石・石炭・石灰石の3種類の
原料が必要です。
 
原料をむだなく使うため、粉になった鉄鉱石は
石灰石の粉と混ぜ、焼き固めた状態を焼結鉱と
いいます。
 
石炭は蒸し焼きにして鉄をつくる燃料である
コークスにします。これらの原料から
鉄1t(1,000kg)つくるには鉄鉱石約1.6t
石炭(コークス)約0.5t、石灰石約0.02t
その他の原料約0.08t、合計約2.2t(2,200kg)が必要です。
 
鉄(銑鉄)は原料である鉄鉱石などを高温で溶かして
つくります。そのとき燃料になる
コークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)からガスが
発生します。
 
このガスにはまだ燃えるものが含まれています。
東田第一高炉の特徴はこのガスを再び集めて
熱風炉の中で燃やしその熱を鉄鉱石などを溶かす
熱源として利用しました。
 
そのため効率よく高炉の火を24時間燃やし続ける
ことができます。現在、保存されている第10次
改修炉にはわが国最初の高圧操業装置が設置されています。
 
これは高炉内のガスの圧力を上昇させて熱交換率を
高める装置です。それにより、生産量を増大する
ことができました。
 
高炉の内部も見学できます。溶鉱炉内は1,000度以上
に達するため、耐火レンガが敷き詰められています。
 
70年間にわたる鉄づくりを通して20世紀の日本
の近代化を支えた高炉は近代製鐵発祥の地として
1962年(昭和47)に溶鉱炉としての役割を終え
ました。
 
住所:福岡県北九州市八幡東区東田2丁目3-12
TELL:093-582-2391
営業時間:9時00分~17時00分
閉場日:なし
入場料:無料

公式HP:ー

官営八幡製鐵所ーーHeritage

スペースワールド駅から徒歩10分の場所にある
地下道からでしか眺望スペースには行けません。
 
明治維新後、近代化の遅れていた日本は富国強兵
を掲げ、イギリス、アメリカなど欧米列強に負け
ない強い国づくりを目指しました。
 
日清戦争は辛くも終結したものの鉄づくりの必要性
を迫られました。しかし、本格的な製鐵所はわが国
にはなく、鉄を輸入に頼っていました。
 
1897年(明治30)産炭地を背後に控えた北九州市八幡
東区に官営製鐵所を建設することにしました。
国内最大規模を誇る製鐵所は日本の近代化を支えてきました。
 
官営八幡製鐵所は2015年世界遺産に登録された
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船、石炭産業」
関連の4つの施設が構成遺産となっています。
 
旧本事務所、修繕工事、旧鍛冶工場は一般には公開
されていませんがこの眺望スペースから1899年竣工
の旧本事務を眺めることができます。
 
この暑い中、ボランティアの方々は丁寧な対応
をしてくれます。
写真はどこで撮るのがオススメだとか、扇風機を
移動してくれたり、VR体験を勧めてくれたりと
親切です。
 
今や観光地でよく見かけるVRですが「もっと近くで見たい」
という多くの来場者の声に応えて設置したようです。
 
撮影はこの角度しか撮ることができません。
昔の写真と比べても建物が旧本事務所だけになった
以外、あまり変わりはありません。
 
VRってすごいなあと月並みの感想しかありませんが
直接足を踏み入れない場所にも360度見渡せて
行った気になれるので重宝します。
 
バーチャルツアーのほか、創業時を記録した写真
を元に歴史や当時の様子を学べます。
今なお稼働してるため、写真が撮れなかったので
代わりにパネル写真を載せときます。
 
旧本事務所
1899年に竣工した初代本事務所。
中央にフランス様式のドームを構える赤レンガ造
の建築物です。左右対称形が美しく、直接正面
から見れないことが残念でありません。
 
竣工当時は屋根に瓦、構造材に木材を使用しており
東洋と西洋の建築様式を融合した設計となっています。
裏手には同じ赤レンガ造りの倉庫や別棟があり
渡り廊下で結ばれていましたが、現在は撤去されています。
 
修繕工場
1900年、製鐵所で使用する機械の修繕、部材の製作
加工を行う目的で、ドイツのグーテホフヌンクス
ヒュッテ社の設計と鋼材を用いて建設された鉄骨建造物です。
 
創業から110年以上経過した現在でも、修繕工場
として稼働し続けています。
 
旧鍛冶工場
1900年、製鐵所建設に必要な鍛造品の製造を行う
目的で修繕工場と同様のグーテホフヌンクスヒュ
ッテ社設計の鉄骨建造物です。
 
遠賀川水源地ポンプ室
1910年製鐵所の第一期拡張工事に伴い、必要な工業
用水を確保するために建設された取水・送水施設。
 
100年を経ても現在も八幡製鐵所に必要な
約7割の工業用水を供給しています。
 
住所:福岡県北九州市八幡東区東田2丁目2−6
TELL:093-582-2922
営業時間:9時30分~17時00分(入場は16時30まで)
閉場日:毎週月曜日、年末年始
入場料:無料

関連サイト:http://heritage.sangyokanko.com/study/yahata_jimusyo/

八幡のチャンポンーーGourmet

八幡名物ーー鳥カツが乗ったチャンポン。
テレビでもちょくちょく紹介されるので一度
食べたいと思っていました。
 
八幡のチャンポン」¥780
さわらびセットはチャンポンor焼きそば+220円で
「ミニ六助(巻き寿司2ケ+いなり2ケ)」が付いてきます。
 
小さめのいなりは甘めの味付けなので塩味のチャン
ポンとよく合っていて、何個でも食べれそうです。
 
溶き卵が混ざった野菜たっぷりのスープに揚げたて
の鳥かつがジュワァーとしています。
 
チャンポンは麺が太く食べ応えがあり、カリっと
した鳥かつと交互に食べるとアクセントになって
飽きません。あっさりしていて野菜なのでたくさん
食べても実質カロリーゼロです(笑)
 
TELL:093-681-0009
営業時間:11時00分~21時00分
定休日:月曜日
駐車場:無

公式HP:ー

総括ーーSummary

東田第一高炉は改修を繰り返し、昭和37年に
超高圧高炉としてこのような大規模になりました。
一時は解体の話もありましたが、わが国の製鉄の
発祥の地として市民が北九州に保存を訴え
平成6年に市指定文化財に指定されました。
 
日本の近代製鐵業を確立した官営八幡製鐵所の創業
時から今に残る大変貴重な施設です。
”鉄は国家なり”プロイセンの鉄血宰相ビスマルク
が提唱した言葉です。
 
製鐵業は国家プロジェクトとして開始しました。
戦後日本の成長を支え、世界も認めた日本のもの
づくりの原点である八幡製鐵所を眺望スペース
からとはいえ見学でき念願が叶いました。
 
八幡製鐵所は1932年に官営から民営に移行され
現在は新日鐵住金株式会社としてわが国の鉄事業を
支えています。
 
(次回)ーー北九州の祭り大集合!
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