伊万里ーー日本の磁器発祥の地 Imari
大川内山ーーVillage
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有田焼の中には代表的な3つの様式があることを
知っていますかーー
「古伊万里様式」「柿右衛門様式」
「鍋島藩窯様式」の3様式です。
Column
有田焼
400年の歴史を持つ日本最古の陶磁器。
「伊万里焼」とも呼ばれる。非常に細かい
手作業での絵付が特徴で製作工程が分業制。
ー古伊万里様式ー(江戸時代)
染付だけの単色で素朴な物から金襴手を
あしらい豪華絢爛な物もある。
ー柿右衛門様式ー(江戸時代)
1670年代に確立。バックの白磁の美しさを
極限に生かし、色彩鮮やかに描いた様式。
ー鍋島藩窯様式ー(江戸時代)
染付で下絵の後、赤・青・緑の三色を基調と
した「色鍋島」藍一色の添付し、緻密な技法
で落ち着いた「藍鍋島」大川内山から産出
する青磁原石を用いた青翠色の「鍋島青磁」に分かれる。
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1660年代頃に鍋島藩の御用窯が築かれ大川内山
で日本の磁器の中で最も格調高い「鍋島」が
人知れず作られてきました。
鍋島は将軍家への献上品や諸大名への贈答品
など限定的な使用をするために特別あつらえ
たやきものです。
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役所や番所を設け、人の出入りなど厳密に
管理されてきました。
そのため、その伝統や技法は外に漏れることなく
現在でも鍋島の伝統を受け継ぐ窯元が軒を連ね
伊万里焼(有田焼)が生み出されています。
佐賀県遺産ーー秘窯の里
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大川内山に訪れる際に必ず渡り
そして目を奪われる鍋島藩窯橋。
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橋の欄干には伊万里焼が使われていて
美しく色付けされた壺や陶板が張り付け
られています。
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窯元めぐりの石畳メインストリート。
狭い路地に入ると約30の窯元が軒を連ねています。
店頭に並ぶ焼き物に誘われ、素敵な一品に出会える
こと間違いなしです。
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陶板で装飾されている橋を渡って
鍋島公園内の大川内山を一望できる展望台
に向かいます。
展望台の大壁面は圧倒される大きさでインスタ映え
スポットとしてオススメです。
一体何枚分の陶磁器が使われているか気になります。
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谷間に建つレンガ造りの煙突やゆるやかな坂に
窯元が建ち並ぶ江戸時代をそのまま岩壁や急峻な
山で封じ込めたかのよう。日本の原風景とは少し
異質な世界が広がっています。
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トンバイ橋の下に流れる小川のせせらぎ
が心地よいです。
堤防には伊万里焼が埋め込まれていて大川内山
ならではの景色を見られます。
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坂の一番上からの景色。
小さな趣のある陶芸の里は陶芸に興味なくても
歩くのが楽しいです。
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加藤清正と直接的な関係はありませんが
陶工達の間に日蓮宗の信者が多く、同じく
日蓮宗である清正公を祀っています。
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に囲まれたらどんなに幸せなことでしょう。
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ー伊万里・有田焼伝統産業会館
無料の駐車場の隣にある色鍋島等に代表される
大川内山の焼き物を展示しています。
観光情報やお好みの伊万里焼のカップでコーヒー
を飲める喫茶コーナーもあり一休みに立ち寄り
たくなります。
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鍋島藩窯の歴史や伝統が学べます。
まずはここで情報収集して気になった焼きもの
があったら地図を確かめて窯元へ訪ねに行くと
効率が良いです。
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鍋島藩窯秋祭りでは、江戸時代の文化にならい
”献上の儀”を行っており、姫路城、熊本城など
全国の名城に献上しています。
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鍋島藩がなくなると、陶工たちは藩の庇護を失い
自らの手で販売しなければならなくなりました。
そのため、技術力の高さを生かし、新しい作風
を模索し、このような緻密な細工を作りました。
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伊万里の山奥にある鍋島藩の窯元。
伊万里焼きを使った橋や案内板など全てが
磁器でできているのか疑ってしまいがちです。
他にもどこに使われているか探しながら歩いて
散策すると楽しいですねーー
住所:佐賀県伊万里市大川内町乙1806
TELL:0955-23-7293
営業時間:9時00分~17時00分
休業日:年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場:有
入館料:無料
有田ポーセリンパークーーPalace
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佐賀の山奥に突如出現したかのような巨大建造物。
有田焼を国内外にアピールする目的で1933年に
オープンしましたが、バブル期のような賑わいは
既になくなっているかんじです。
ドイツのドレスデンにある「ツヴィンガー宮殿」
を模した西洋建築物のようです。
再現度高けーな、オイ!
◆Pick up◆
ツヴィンガー宮殿
所在地:ドイツ・ザクデン州都ドレスデン
築造年:1709年~1728年間にかけて建造
築造主:アウグスト王ーードイツ・ザクセン選帝
侯であり、ポーランド王
◯バロック様式の宮殿
◯現在はドレスデン美術館のアルテ・マイスター
絵画館等として利用されている
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当時ヨーロッパでは磁器をつくる技術がなく東洋
から渡ってくる絵が描かれたやきものに頼って
いて王族貴族に熱心なコレクターが多くいました。
特にアウグスト王は特に最大のコレクターであり
古くからのやきものを通じた東西交流が実を結び
1979年、有田町とドイツのマイセン市は姉妹都市
として締結しました。
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正面からだと全体図が捉えられないくらい巨大
な宮殿です。
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彫刻など細かいところまで造りこまれている
門を抜けます。裏側はハリボテではありません。
ーー作りこみがハンパないです。
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有田焼で作られた噴水をメインに据えて、両側に
シンメトリーのバロック庭園、バックに宮殿が
一緒に写った西洋風の景色は一見の価値ありです。
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トンバイ塀。
トンバイとはーー登窯を築くために使った
内壁用の四角い煉瓦のことです。
登窯が壊されたときに廃材がたくさん出ますが
そのトンバイと廃材を赤土で塗り固めて築いたのが
トンバイ塀です。
トンバイは大川内山の橋にも見られます。
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ドイツの緑豊かな森の風景を磁器独特の色合い
で四季を表現したモニュメントです。
有田焼のチェスの駒。
欲しい!家の庭に飾りたい!
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有田焼工房も敷地に含まれていて展示、販売だけ
ではなく有田焼のろくろや絵付体験ができます。
さらに運営が1985年創業の有田市の宗政酒造株式
会社のため、試飲や販売、酒蔵見学ができます。
観光客の大半が日本人ではありません。
そのため、レストランやお土産コーナーでは日本語
だけでなく、中国語や韓国語で案内しています。
住所:佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙340番地28
TELL:0955-41-0030
営業時間:9時00分~17時00分
休業日:年中無休
駐車場:有
入場料:無料(アートギャラリー大人¥600
中高生¥300)
総括ーーSummary
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日本国内において磁器の生産が本格的に開始
されたのは江戸時代前期の1616年(元和2)頃
肥前有田で海外に向けて積み出されました。
積み出された焼物の地名にちなんで一般に
「(古)伊万里」と呼んでいます。
有田焼(伊万里焼)は世界中で名が広まっています。
特に繊細な作風で知られる “柿右衛門様式”は
ヨーロッパや磁器発祥の地である中国の景徳鎮窯
が模倣するほどの影響力をもつ、世界的に類を
見ない作品でした。
日本の磁器発祥の地として、有田焼は国内外に
多くの愛好家をもち世界的な名窯として現在でも
名を轟かせています。
(次回)ーー日本最大の単独テーマパーク