佐賀ーーその時、佐賀は世界を見ていた Saga
オランダハウスーーHouse
「肥前さが幕末維新博覧会」のパビリオンのひとつ
として誕生したこの内側から木漏れ出るオレンジ
が美しい建物。
1934(大正14)建築の旧佐賀銀行呉服町支店です。
水辺テラスではカヤックで川下りやカフェが楽しめます。
佐賀とオランダの交流や共通点である水辺について
の説明があったり、現在取り組んでる佐賀城下に
張り巡らせた”クリーク”=人口の水路の魅力を
知ってもらう活動の記録が展示されています。
オランダのクリエーターが創作活動や企画展を
行っていて2か月ごとに内容が変わります。
オランダのクリエイターと意欲溢れる若い日本人
が交流する創作活動の場です。
元銀行の名残として厳重そうな金庫がそのままに
しており、内側の壁紙はほとんど手を加えていません。
建築自体もアートにする試みはいいですねーー
オランダの建築家であり、クリエイターでもある
「ヘーリット・トーマス・リートフェルト」がデザ
インした”レッド&ブルーチェア(赤と青の椅子)”
今なお愛されている椅子のひとつです。購入しよう
としたら10数万はくだりません。
デザイン的な要素が強く一般住宅には向きませんが
オランダハウスでは見事な調和を作り出しています。
住所:佐賀市呉服元町8-1
TELL:090-7463-1608
開館時間:10時30分~20時00分
休館日:なし
入館料:無料
関連サイト:http://sy.pref.saga.lg.jp/saga-design/hollandhouse/index.html
佐賀県庁ーーOffice
県庁と聞くといかにも堅苦しいから敬遠しがち
ですが、大抵の県庁は周辺の建物の中で一番高い
ため展望台は穴場的な観光地になっています。
佐賀県庁は昼の風景もさることながら、特に注目
したいのは夜の風景です。
佐賀県とネイキッドでは2016年から3年にわたり
県庁を佐賀県の夜の観光スポットとして活用する
「アート県庁プロジェクト」を実施しています。
私が訪れたときは”夜空のタイムトラベル”
が開催されていました。
プロジェクションマッピングの内容は定期的
に変わるため機会があれば見に行くことを
オススメします。
プロジェクションマッピングが始まるまで
夜景を望みます。
バルーンミュージアムが見えますが、佐賀城
はライトアップされていないため輪郭が
ぼやけているだけです。
窓だけでなく床からも佐賀の名所や花火の映像
が約10分間上映されます。
窓に手を触れると建物や木などが出現し
未来の佐賀を描けます。
参加型のインタラクティブ作品もあり、夜景以外
にもおもしろい催し物があります。
3Dの”呼子のイカ”が鑑賞者の服の色に合わせて
透明な体色を変化させます。
住所:佐賀市城内1丁目1番59号
佐賀県庁展望ホール
TELL:0952-25-7386
営業時間:4月~9月 20時~22時
10月~3月 18時30分~22時
入場料:無料
さがレトロ館ーーGourmet
佐賀城の近くに位置する1887年(明治20)に
警察部庁舎として建てられた洋館を
リニューアルした建物。
佐賀県産にこだわった食材を使用した
カフェレストランで佐賀県産の農産物や
名産品の販売を行っています。
ディナーにレストランを使用しました。
レトロな外観に調和した落ち着いた内観で高級感
溢れる食事を楽しめます。
ーー正直、場違いな感じが否めません(汗)
「志士リアンライス」¥1,500
佐賀のご当地グルメ「シシリアンライス」
の博覧会Ver.
一枚の皿に温かいライスを敷き、その上に炒めた
お肉と佐賀産の生野菜を盛り合わせ、マヨネーズ
をかけたものがシシリアンライスの定義です。
まかない料理として作られたのが始まりとされて
いて、当時はありあわせの食材を使用していました。
地産地消の佐賀産のお肉に新鮮な野菜。
ライスと肉、野菜を一緒に口に入れると
温かい、冷たい、シャキシャキなど様々な
食感を楽しめます。
値段設定が高めなのも頷けます。だけどもう少し
ボリュームが欲しいかなーー
注目したいのが器です。朱赤の線の上に朱液で
色づけした”赤濃金彩唐草”模様の西洋食器は高貴
なので上にのっていたシシリアンライスよりも
高価になっています。
佐賀のB級グルメらしいのですが、見た目が華やか
なのでゴージャスに感じます。シンプルな調理法
なので佐賀中心に家庭でも簡単に作られています。
喫茶アリユメーーGourmet
バルーンミュージアム近くのビル地下に位置する
いかにも定連さんが多く通いそうな趣のこのお店。
「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されました。
「シシリアンライス」¥700
第一印象、サラダにしか見えませんが、お肉とライ
ス、サラダをスプーン上でミニシシリアンライス
を作り、頬張ると視覚・嗅覚・触覚・食感、静かな
お店から時折聞こえる環境音の聴覚が混然一体
となったまさに五感を刺激する朝食にぴったりな
ワンプレートです。
モーニングが安価なので佐賀に旅行にきたら
ぜひ訪れることをオススメします。
ちなみにメニューを考案した人が”ゴッドファーザー”
の大ファンだったのでその舞台のシチリア島から
とって「シシリアンライス」と命名されたと言われ
ています。
ライスの上にお肉とサラダが載っている条件さえ
揃っていればシシリアンライスと呼べるので
色々なお店で食べ比べすると見た目も華やかな
ので写真を撮っても楽しめます。
TELL:0952-26-7215
開館時間:月~金曜 8時00分~17時00分
土曜 8時00分~19時00分
定休日:毎週月曜日
駐車場:無
関連サイト:ー
総括ーーSummary
なぜ、幕末時代に鍋島直正が育成した日本の次世代
のリーダーを数多く輩出した佐賀の知名度が低いのかーー
「薩長土肥」のひとつに含まれているにも関わらず
佐賀だけが不遇な扱いを受けるのか。
それは”藩閥政治”というシステムのせいで明治政府
を腐敗させた主な原因です。
佐賀の乱で中央にいた江藤新平と島義勇の下野
西郷隆盛の西南戦争での死、大久保利通の暗殺。
維新において活躍を果たしても他藩では出世の限
界。会津藩は最後まで抵抗したため、冷遇の極み。
結果として伊藤博文や山縣有朋、長州勢の一人
勝ち。有能な人材が埋もれただけではなく、足を
引っ張り合い、政治が停滞することに繋がりました。
ーー出る杭は打たれるという日本の風潮です
実力だけでなく策謀や謀略に秀でた者が生き残る
明治政府では江藤のような真っ直ぐで一歩も
退かない性格では敵をたくさん作ってしまい生き
づらい世の中だったでしょう。
そうした駆け引きは佐賀藩の気質とは遠く離れ
ているため、不当な扱いを受けて新政府から弾か
れたことを念頭に入れておきたいです。
(次回)ーー日本一大きくて美しい松原にある
唐津のモン・サン=ミッシェル