鹿島ーー有明海に面する珍魚の住む町 Kashima
有明海ーーSea
有明海は福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県にまたが
る九州最大の湾。
ーー面積約1,700km²、平均水深20m
満潮と干潮の潮位の差、干満差が日本一の海でそれ
を利用した潮干狩りを目的に観光客が多く押し寄せます。
波の穏やかな湾や川から流されてきた砂や泥が長い
年月をかけてゆっくりと積もっていき、干潮時に
堆積、満潮時に侵食されることを繰り返しながら
沿岸各地で広大な干潟を形成していきます。
約200万年前、日本列島は大陸の一部として陸続き
であり、現在中国の北部を流れる黄河があったと
考えられています。
そのため、有明海は独自の生態系を保有しており
ムツゴロウやワラスボ、エツといった日本では
珍魚と呼ばれる生きものが中国大陸や朝鮮半島
に生息しています。
ームツゴロウ(鯥五郎)ー
名称:Boleophthalmus pectinirostris
分類:スズキ目ハゼ科ムツゴロウ属
生息地:日本では有明海、八代海の一部
東アジアの干潟
由来:
脂っこい意の「むつごい」の”むつ”ハゼ科の
「ごり(鮴)」が変化した”ごろう”が合わさ
った語で、脂っこいごりという意味
特徴:
エラと皮膚の両方で呼吸が出来る水陸両生魚。
干潟に穴を掘って暮らし、干潟表面の珪藻類
を食べる。蒲焼にしても美味しい。
ちなみにムツゴロウ王国のオーナーである
ムツゴロウさん(畑正憲)は動物研究家であり
ライオンにじゃれたりといった数々の逸話があります。
あまり知られていない側面として、麻雀の腕は超一
級品でプロ雀士でも歯が立たないといわれていま
す。東大受験の際は時間が余って寝ていたなど
記憶力が良く一度読んだ小説を全て暗記している
伝説があります。
ーワラスボ(藁素坊、藁苞)ー
名称:Odontamblyopus lacepedii
分類:スズキ目ハゼ科ワラスボ属
生息地:日本では有明海のみ、東アジアの干潟
由来:
稲わらを束ねて作る筒の形に似ている(ワラスボ)
特徴:
全長40㎝ほどに達し、目が退化していて広げ
た口には牙が並んでいる。エイリアンみたい
な見た目を生かして様々な商品が販売されて
いる。(ラーメン、煎餅、栄養ドリンクなど)
時期外れのため、干潟に降り立つことはできません
でしたが水平線まで広がる干潟はダイナミックでし
た。水平線に沈む夕日は絶景でずっと眺めていても
飽きないとか…
干潟の泥はザラザラーーかと思いきや、手触りは
思いのほかキメが細かくクリーミーでほんのり
あたたかいです。
さらに干潟を利用して春から秋にかけて泥遊びを
楽しむこともできます。
ーードロに含まれる天然ミネラル成分が美容効果
に良いらしいです
年に1度、5月中旬~6月中旬に開催される
「鹿島ガタリンピック」の泥んこ運動会はユニーク
な競技揃いで世界中から参加者を募り子供から大人
まで大いに盛り上がります。
祐徳稲荷神社ーーShrine
さて再び、佐賀に戻ってまいりました
島原から2時間半車を飛ばし、祐徳稲荷神社に行きま
す。夕方になり暗くなってきたので人影はまばらです。
稲荷神社は霊感が少しでもあると祟られると言われ
ているため、夕闇時にはなるべく訪れたくなかった
のですが島原でゆったりしていた分、仕様があり
ません。
ーー私は霊感があるかどうかわかりませんが…
参道の門前商店街が軒を連ねる北側には無料の駐車
場が開放されていて車でのアクセスに不便はあり
ません。
◆Pick up◆
祐徳稲荷神社 別名:鎮西日光
創建年:1687年(貞享4年)
主祭神:倉稲魂大神(ウガノミタマノオオカミ)食物の神様
大宮売大神(オオミヤノメノオオカミ)家内安全・商売繁盛の神様
猿田彦大神(サルタヒコノカミ)道ひらき・交通安全の神様
社格:県社・別表神社
◯日本三大稲荷神社
◯九州の神社では「太宰府天満宮」に次ぐ参拝客数を誇る
◯例大祭:3月初午日
肥前鹿島藩主鍋島直朝公の夫人、萬子媛(まんこひめ)
が朝廷の勅願所であった稲荷大神の御分霊を勧請
したことで始まった稲荷神社です。
それ以後、衣食住の守護神として国民の間に篤く
信仰され、萬子媛の諡名(おくりな)から「祐徳さん」
として古くから親しまれています。
ガラス張りの建物は本殿までの有料エレベータ
です。無理しないで利用することをオススメします。
Column
「日本三大稲荷」
候補地がいくつかあるため、これといった
確定したものがなく、三大稲荷は地域によって
異なります。
◆【伏見稲荷大社】(京都府京都市伏見区)
全国に約3万社ある稲荷神社の総本社。
創建711年
◆【笠間稲荷神社】(茨城県笠間市)
関東三大稲荷。創建651年
◆【祐徳稲荷神社】(佐賀県鹿島市)
九州最大の稲荷神社。創建1687年
◆【豊川稲荷】(愛知県豊川市)
千本のぼりが特徴。創建1441年
◆【最上稲荷】(岡山県岡山市)
正式名称を「最上稲荷山妙教寺」、神仏習合の
珍しいお寺。創建752年
ー楼門ー
錦波川に架かる神橋を渡って撮影スポットの楼門
に向かいます。
佐賀らしく有田焼で左右に御鎮座する随神が作ら
れていることが特徴のひとつです。
ー神楽殿ー
昭和41年造の鉄筋コンクリート建、総漆塗
極彩色の社殿です。一般参拝はこちらで行います。
ー本殿ー
階段を登り、懸造りの寺院建築に到着です。
色鮮やかな本殿は京都の清水寺の清水の舞台を思わ
せる鮮やかな朱色に塗られ、境内外から見ても
美しいです。
御祭神である3神は稲荷大神と呼称し衣食住を司り
生活全般を守護してくれるといいます。旅には不可
欠な御利益のためよくよく祈っておきましょうーー
楼門から徒歩で上り参道を約20分と道のりは
険しいです。鳥居が建ち並ぶ様子は伏見稲荷大社
や元乃隅稲成神社より密度は小さいですが
ロケーションはバッチリ!
丘の上に建っているため、奥の院へは長い石階段が
続きます。時間に追いかけながら、肩で息をしな
がらずんずん進んでいきます。
ー命婦社ー
奥の院に向かう際の中間地点に位置しています。
稲荷大神の神令使(お使い)である白狐の霊を
祀っている御社です。
命婦社には不思議な言い伝えがありますーー
1788年(天明8)京都御所が火災となり
その火が花山院邸に燃え移った時、白衣の一団が
現れ消火にあたりました。
白衣の一団に「どこの者か」と尋ねると
「肥前の国、鹿島の祐徳稲荷神社にご奉仕する者で
ございます」と答えました。この出来事を聞いた
光格天皇は、白狐に”命婦”の官位を授けるよう命じました。
ー奥の院ー
主祭神は「命婦大神(ミョウブオオカミ)」
商売繁盛の神であり、その御利益は本殿を超える
といわれています。
場の空気が変わったような気がします。暗くなる
前に上ろうと急いでいて汗だくだったのですが
急に悪寒を感じました。
階段を登り切り、振り返った瞬間、ここまでの
苦労が報われた気がしました。
鹿島市内とその後ろに広がる有明海が一望できます。
参拝を一通り終えて来た道を引き返します。
背中のほうでゾクゾクと感じますが振り返らずに
ただひたすら前を向いて速足で下りました。
併設してる祐徳博物館では鹿島を中心とした歴史
美術工芸、民族などの資料を展示していますが
営業時間過ぎていたため閉館していました。
佐賀ーーその時、佐賀は世界を見ていた Saga
らーめん家MARUーーGourmet
前回佐賀に訪れたとき、行けなかった佐賀城跡
近くのオープンして比較的新しいラーメン家
MARUにおじゃましました。
メニュー表はポップで可愛らしい形をしています。
奥さんが作ったのかな。
「豚骨ラーメン+半チャーハン」¥580+¥370
豚骨は福岡で散々食べてきた”こってり”ではなく
”さっぱり”とした味わいです。
硬めを頼み、コシを感じる細麺ストレートと脂の
浮いたスープのバランスが良いです。
チャーハンはシンプルにまとめられていて豚骨
スープと相性が良いです。
TELL:0952-20-0321
営業時間:11時00分~15時00分
18時00分~22時00分
定休日:月曜日
駐車場:有
関連サイト:ー
総括ーーSummary
稲が成るで、私たちの身近にある稲荷神社。
可愛い狐と思って不用意な行動をしてはいけませ
ん。全ての神社は願いを叶える以外にも怖い一面
も持っています。
稲荷=狐と連想する人が多いと思いますが稲荷神社
に祀られている神は”狐(Kitsune)”ではありません。
倉稲魂大神(ウガノミタマノオオカミ)という五穀豊穣
の女神です。その女神が使わす眷属が狐です。
春の時期になると五穀豊穣の神様は山から里へ降り
立つといいます。
それと同時に現れる動物が狐のため、稲荷大神
の功徳をもっていると信じられてきました。
そのため、稲荷神社で祀られている狛犬ならぬ狛狐
は稲穂やら玉など口に何かしら咥えています。
ーー色々な狐がいて見るとおもしろいですよ
鳥居が他の神社と違ってたくさんある理由はーー
願望が叶いやすい神社として即効性が高いことに
あります。
お願い事をして叶ったら鳥居を立て、またお願い事
をする。その繰り返しでたくさんの鳥居が奉納されました。
即効性が高いということはその分、見返りや仕返し
が大きいということなので願いが成就したとして
も信仰の心を忘れずにキチンと祀りましょう。
ーーじゃないと祟られるかも…
急いでいたので気付きませんでしたが
本殿の真下には「岩埼社」が鎮座しています。
岩崎大神は縁結びの神様のため、時として稲荷大神
より人気が高いとか…
(次回)ーーふるさと納税に人気のメロン産地